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消滅時効を援用します!(書式付)

借金をしてから長年返済していない場合に、借金を返さなくてよくなる簡単な方法を解説します。

1 消滅時効とは?

お金を借りてから長年返済していない場合、借金を返さなくてよくなる場合があります。これを消滅時効といいます(民法166条)。

例えば、消費者金融から100万円のお金を借りていても、この消滅時効が使えれば借金が消滅します。すなわち、返済しなくてよくなります。

2 消滅時効が使える場面

では、どのような場面ならこの消滅時効が使えるのか?という点ですが、基本的には最後に借りてから又は最後に返済してから5年以上経っている場合に使えます。

例えば,平成25年4月に消費者金融から100万円を借りて、その後平成25年7月まで毎月1万円を支払っていたとしましょう。その場合、最後に支払った平成25年7月から5年以上(平成30年8月以降)経っていれば消滅時効が使えるため、残った借金を返済する必要がなくなります。

3 援用の方法

では、その利用の仕方ですが、消滅時効を援用する必要があります。具体的には、債権者に対して、完成した消滅時効を利用する旨の意思を伝えることが必要です。

例えば、債権者である消費者金融に「消滅時効を援用します。今後は請求や連絡はしてこないでください。」と伝えれば大丈夫です。

4 利用上の注意点

消滅時効を利用する際にはいくつか注意点があるのですが、ここでは一番やってはいけない行為について説明します。

それは「権利の承認」をしてはいけないということです。権利の承認とは、途中で「借金を返します」と約束したり、実際に借金の一部を返済したりする行為です。こうした行為をすると、期間がリセットされて消滅時効が利用できなくなる場合があります。その場合は、再度5年の経過を待たなければなりません。

特に、古い債権(最後の取引から5年以上経過している債権)を買い取った債権回収会社などが、「利息だけでもいいので払ってください。」とか、「ひとまず1万円だけでも払ってください。」などと言って少額の請求をしてくることがあります。こうした請求に対し、少額だからといって返済したりすると、あとで消滅時効を利用できなくなる恐れがありますのでご注意ください。

5 参考書式

「でも、実際にどうやって消滅時効を援用すればいいのか分からない!」という人向けに、参考書式をおいておきます。


時効援用通知書 (4)

この書式のうち、債権者欄と通知者欄を記入して、債権者に郵送すれば、たいていの場合はそれで解決すると思います。

6 まとめ

以上が借金を返さなくてよくなる方法の説明でした。消滅時効という制度があるため、5年以上取引していないような場合は、上記5の参考書式のような内容の書面を債権者に普通郵便で送っておけば、それでたいてい解決するというお話でした。

なお、民法改正の関係とか、判決が出ている場合とか、郵送の方法とか、細かいお話は色々ありますが、今回は基礎的なお話ということで最低限の内容に絞って解説しております。

そのため、上記方法に対して債権者から反論されたり、争われたりした場合は、専門家にご相談された方がよいでしょう。

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