大学が求められる意義と課題
大学は昔に比べ、進学が当たり前になりつつあるが、進学すること(受験)に力を入れすぎており、進学後の進路のために行動できているのか?
まず始めに、現代社会において生涯学習を支える施設や組織はいくつも存在し、その中の一つに高等教育機関が存在する。また、高等教育機関には大学、高等専門学校、専門学校などが含まれており、今回は大学に視点を向けて意義と課題に関して述べる。
次に、大学が求められた意義と課題を教育の歴史に基づいて言及する。大学では国家的な役割を担う人間を育成(エリートの人材育成)することを目指しているが、この背景には1960年代の日本(高度経済成長期)まで遡る必要がある。この時代は、オートメーション化による大量生産システムの確立など工業化が発展した高度経済成長の時代であり、この時代を支えていくためには科学技術者や技術者といったエリート層が足りないことが問題視されていたことにより、エリートの人材育成を行う大学が求められたのである。
しかし、エリートの人材育成を行う大学の現状には大きな課題があると考える。その課題は、知識・理解・技能といった基礎的・基本的な学力のみを習得することである。
この背景には、大学受験の内容や大学の講義が大きく関わっている。昔に比べ、近年の大学への進学率は約五割に至るほど増加し、受験競争が激化する時代となっているが、試験内容が知識の習得といった暗記的要素が重要視される内容となっていること課題である。
また、大学に進学する際だけではなく、大学入学後も受験競争同様に基礎的・基本的な知識の習得のみの講義が実施されていることが課題であると考える。確かに、基礎的・基本的な知識の習得は学力を向上する上では大事なことであるが、それ以上にその知識を活用することが重要であり、エリートを育成する上では必要不可欠であると考える。
具体的には、学んだ知識を活用するために思考力・判断力・表現力を習得する必要があるが、このような力を習得するための講義を実践している教授は私の経験上からほとんどいないことが大きな課題である。
そのため、エリートを育成する意義において、大学受験の内容はより一層知識を活用する問題へ変更し、大学の講義では基礎的・基本的な知識を習得させることに加え、学生が思考力・判断力・表現力を習得するためにアクティブ・ラーニングを取り入れた講義の展開が必要であると考える。
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