見出し画像

プログラム考察〜Conjugate Method編〜

第3弾です。今回はプログラムというよりもっと大きいシステム、考え方に近いです。アメリカではかなりメジャーであるConjugate Methodの考察をしていきたいと思います。

日本の方はそもそも初めて聞く名前かもしれません。しかしWestside Barbellという名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

Westside Barbellはアメリカのオハイオ州にあるパワーリフティングジムです。1990後半〜2000年代にかけてのMulti-Ply全盛期に大きい大会を総なめにした超強豪ジムです。(Multi-PlyとはIPFなどで使用されるスーパースーツやシャツとは異なり生地が多重になっていてさらに強力なギアのことです)ベンチに関しても実に30人ものメンバーが700lbs(318kg)以上、4人が800lbs(363kg)以上を挙げるという規格外ぶりです。(もちろんフルギアです)1番強い選手はDave Hoff、トータル1407.5kg、ベンチ472.5kgです笑 しかし選手たちの薬物使用の公言やスクワットのしゃがみなどのルールを無視した試技が何故か試合で通るなどの事件が多発(というか常習化)しており、非常に悪名高きジムになっているのも事実です。この最強ジムの創設者がLouie Simmonsという男でConjugate Methodを提唱しました。

ではConjugate Methodというのはどのようなものなのかという話に入っていきます。Conjugate Methodは週4日のトレーニングで上半身種目で2日、下半身種目で2日使います。内容は主にMax Effort MethodとDynamic Effort Methodに分けられます。Max Effortの日には名前の通り、その日のマックスまで持ちます。基本1発の練習のみです。Dynamic Effortの日はいわゆるスピードトレーニングを行います。英語ですが動画を見てもらえるとイメージつきやすいかもしれないです。

https://youtu.be/8LGHtdkSc6o

まず自分が感じたConjugate Methodの特徴を並べていきます。

①年中MAX持つ
実態はどうかわかりませんが、プログラムではずっとMAXを持てるというふうになっています。なぜそんなことができるかというと毎回微妙に違う種目を行うから、ということみたいです。ナローや足上げにするなどフォームを変えるのはもちろんバーを変える、チェーンやバンドで負荷を変える、スリングショットやベンチシャツなどのギアを着ることで何十通り、何百通りの類似種目を被らないように行うことで局所的な疲労を避けながらマックスを持ち続けるという理論です。ここは自分もある程度納得できる部分があります。

②筋肥大は基本補助種目で
筋肥大を狙った回数系のトレーニングはダンベルなどを用いたボディビル的トレーニングでやるからメイン種目ではやらなくて大丈夫ということです。むむっ?て感じです。

③Dynamic Effort
いわゆるスピードトレーニングですが基本バンドやチェーンをつけて終動負荷の状態にして行うことが基本のようです。行う理由についてですが基本どのブログや動画を見てもデカイ外人が『F=Ma。当然だろ?学校でも習ったじゃないか』みたいなことを言ってます。我々が鍛えてるのはFであり、aの増加はFの増加の結果なような気がするのですが…。色々な人が解説をしているのを聞いて1番納得したのはMatt Wenningが言っていた『100%の力を出せるまでの時間を短くするトレーニング』という解説でした。Westside Barbellにいた選手がポッドキャストで実際はDynamic Effortの日は結局かなり重い重量で行うことが多くここがボリュームを稼ぐトレーニングになってたのだと思うと語っていました。

次に自分が考えるこのプログラムの欠点を書いていきます。

①競技練習は??
一発のトレーニングを毎週行えるという考え方はとても好きなのですが、実際試合形式での一発を行える機会がかなり少ないように思えます。何故なら頻繁に試合形式を繰り返してたら、そもそものMax Effort Methodの年中マックスを持てる根拠と矛盾してしまいますので。競技者としては致命的に思えます。

②ボリューム足りない
これにつきます。回数トレーニングは補助種目のみです。メインムーブメントは重いの一発やってあとはスピードだけです。Westside Barbellにいる選手はジムに入る時点で異常な筋肉量を有しており、維持程度でいいのだと思います。ですが我々はそうはいきません。フルギア前提で作られているプログラムはこの傾向が多く見られるように感じます。

いかがだったでしょうか。結構脳筋トレーニングな部分もありますが結果が出てますので、有効なトレーニングと認めざるを得ないです。自分もある程度強くなってからはConjugateの考え方を少し取り入れてトレーニングしています。

最後にこのプログラムに向いている人、向いていない人をまとめてみます。

向いている人
・上級者
・階級いっぱいの筋量がある人

向いていない人
・初心者、中級者
・筋肉を増やしたい人

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?