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プログラム考察〜スモロフ編〜

パワーリフターの皆さんは一度は聞いたことがある方が多いと思います。

『スモロフ』

ロシアのセルゲイ・スモロフによって提唱されたもので
スクワット用に作られたものです。

https://www.smolovjr.com/smolov-calculator/

上のリンク先のサイトでマックスを入れるとプログラムを計算してくれます。

かなりハイボリュームなプログラムで、完遂すること自体の難易度が非常に高いです。しかしボリュームに耐え抜き、適応し、完遂するとかなりのマックスの伸びが期待できるプログラムでもあります。

要約すると
1〜2週目:導入期
3〜6週目:ベースサイクル
7〜9週目:転換期
10〜12週目:インテンスサイクル
13週目:テーパー

という作りの13週プログラムになっています。

最初の導入期の1週目はかなり楽な重量設定になっています。おそらく今までやっていたトレーニングからのディロード期間として設けられている意味合いが強いのかなと思います。しかし2週目はボリュームはかなり少ないですが、3日目には85%で5発というなかなかの難易度のセットを行うことになります。ここは次のベースサイクルに向けて神経系を慣らす的な意味合いがあるのかもしれないですが、もう少し難易度低めでも良いのでは、と思います。

次がベースサイクルです。ここが1番特徴的で、スモロフと聞くと、この部分を連想する人が多いかと思います。1週間の内4日トレーニングを行い、9×4、7×5、5×7、3×10を行います。そして2週目、3週目では重量を足して同じことを行なって下さい、というサイクルです。4週目は最初の2日休んで、後の2日で2回1RM測定をします。はっきり言ってかなりきついです。まず上のリンクのCalculator通りにやると1週目からかなりの難易度なので2週目、3週目と重量を足していく余地があまり無いです。さらにこんなハイボリュームをやりながら重量を足していくということ自体、かなりの回復力がないと厳しいです。自分がやるとしたら3週目に推奨の1週目の重量が来るぐらいに組み立てると思います。加えて4週目に1RMを測定し直して、強くなっていることを確認する、後半の正確な重量選択に繋げるというのはすごくいいと思うのですが、1発のトレーニングを行っていない、3週間のハイボリュームからの休みが半週しかないので正確な1RMが出るかは疑問が残るところです。

次の転換期はかなりいいと思います。Calculatorには載ってないですが1RMの50〜60%でスピードスクワットを行う、みたいなイメージみたいです。ボックススクワットやバンドを活用するとなおよしとされてます。自分だったらここでは普通のベンチは一切行わず、ナローや足上げでボリュームは抑えつつ中重量で行うと思います。同じ種目に対する疲労の蓄積、刺激としての体の完全な適応を防ぐためのいい期間として組み込まれてると思います。

次にインテンスサイクルに入ることになります。ここは3週間、3〜5レップ、80〜95%の間で頑張る感じです。ベースサイクルのボリュームを落とし、強度を上げたイメージです。ここもやはりかなり難易度が高いように思えます。加えて低レップ帯(1、2レップ)のトレーニングが皆無です。神経疲労を避ける目的かもしれないですがにしても0はちょっと...。1発を上げる目的ならやはり1発付近を持っておきたいところです。しかしベースサイクルと比べると単調な重量の増加だけではなく、レップ数セット数の多様性もあるのでまだ現実性はあるのではないでしょうか。ちなみにこのサイクルの最終日には新1RMの95%で4発3セットできている計算になります。

最後のテーパーですがボリュームが多いような気がします。今までやってきたボリュームを考えると、この週は最終日のMAX測定まで何もしないぐらいでいい気もします。しかしそれでも今までの練習に耐えれていたことを考えると1RMはかなり伸びているはずです。

いかがだったでしょうか。自分は中学生の頃にこのプログラムのベースサイクル部分のみをやりながらMAXを毎週持つという荒技でマックスが10kg伸びた記憶があります笑 何をやっても伸びる時期だったとは思うのですが、ボリュームの大事さを思い知った気がします。ただ本来ディロード、テーパーあってのボリュームなのでこのようなことはしないでください。怪我のリスクも高いので慎重にやっていかなきゃならないプログラムですが、ハマればかなりの爆発力があると思います!

最後にこのプログラムに向いてる人、向いてない人をまとめてみます。

向いてる人
・若くて回復力に自信がある人
・比較的歴が浅くグングン伸びてる人
・関節が頑丈な人
・ガンガン体重を増やせる人
・回復に時間が当てれる人(睡眠、ケア等)
・練習時間が長時間確保できる人(短インターバルでやろうとすると死にます)
・距離が短い人

向いてない人
・なんじゃこのボリュームは!って思うぐらい普段低ボリュームで練習してる人
・こんなの楽勝だぜ!って思うぐらい普段高ボリュームで練習してる人
・忙しい人
・痛いとこ、違和感があるとこがある人
・補助種目をガンガンやりたい人
・上級者の人
・テクニックが確立していない人(ベンチ下手な人)




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