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ブランドストーリーと国産旅客機MRJ凍結の話

ブランド戦略の勉強を兼ねて1冊の本を読んだので紹介します。誰かが言っていましたが、ビジネスで成功したいならば「物を売るのではなく物語を売れ」と。
この本を読んでみて、なるほどなと思いました。
タイトルは「Brand STORY Design」、著者は細谷正人さんです。
↓値段が8,400円となってますが、単行本307円です。(2020.11.26時点)

是非読んで見ていただきたいのですが、時間がない方のために、本書の大事そうなところを抜粋して解説していきます。

そもそも何故、ブランドストーリーが必要なのか?

企業は何かしらのモノやサービスを消費者に提供しています。
そのモノやサービスを誰に、どのように売るか考えることがマーケティングであり、それは市場調査やデータ分析を要する論理的な思考です。
そして、マーケティングによって顧客に対してどのような価値を提供するのかを考える必要があり、そのアウトプットとして商品パッケージであったり、商品ロゴであったりします。このアウトプットをデザインすることはクリエイティブな思考です。

これらの論理的な思考とクリエイティブな思考を情緒的な観点で繋いだものがブランドストーリーであると筆者は言っています。

どのようにブランドストーリーを創るのか?

ブランドに過去から築き上げた変わらないものと、変化に伴って変わり続けるものがある。
ブランドストーリーも同様に、変わらない部分「礎」と変わる部分「柱」がある。

ストーリーの礎は普遍的なものであり、以下の3つの視点があります。
1.遅延的であること
2.学べること
3.原風景があること

1の遅延的であるという意味は、いつの間にか私たちの心の中に浸透していて、後で引き出せるような価値です。
2の学べることは、情報にあふれる現代社会で何か気づきや発見を与えてくれるような価値です。
3の原風景があることは、ストーリーを聞いて思い浮かぶ風景や場面のことです。

もう一方のストーリーの柱は、以下5つのプロットが最低限必要となります。
行動、性格、思考、紛糾、解決
各々の詳しい説明は割愛しますが、すべての相互関係を考えることが大切です。

この本では、伊勢丹や日本航空などのブランドストーリーの実例が多く紹介されています。
各社のブランドへの思いや、創り上げるまでの過程を知ることができ大変面白かったです。

本書の紹介で終わろうと思いましたが、日本航空というワードを見て最近話題になった国産旅客機MRJ事業凍結のニュースを思い出しました。
YouTubeでMRJの動画があり、今回のブランドストーリーと繋がっているので紹介します。

この動画から、多くの人が国産技術の旅客機を期待し、多くの夢を叶えるブランドになっていることがブランドメッセージとして伝わります。
ストーリーの礎に当てはめると、
国産技術は安心で信頼性が高いという遅延的な要素、多くの大人・子供たちがMRJに夢を描いていることが学べるたこと、完成後にそれらの人々がMRJに乗って喜んでいる原風景があるなと思いました。

日本人としては、是非実現して頂きたかった夢です。資金提供をしてくれるスポンサーを見つけて、開発が再開されることを切に望みます。



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