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9 外に居ながら音楽を楽しむのか、音楽を聴きながら外を楽しむのか。

スマートフォンで音楽を聴くことも当たり前の時代です。

40年前に日本でヘッドフォンステレオが登場し世界に広がり、カセットテープ・コンパクトディスク・ミニディスクと日本産の記録媒体が進化した後、20年前にアメリカでネットミュージックという革新が起こり云々・・・という話を書きたいのではありません。

ヘッドフォンステレオの出現時には「これからは音楽を外へ連れ出して楽しむためのもの」ということが新しいコンセプトとされて、部屋か車の中でしか音楽を聴く環境を持たなかった消費者がアッと言いました。ここで私が感じたことは、外に居ながら音楽を楽しめることよりも、音楽を聴きながら外を楽しめることのほうが「アッ!」なんじゃないかなといことです。

見出しの写真は、ヘッドフォンステレオ登場の少し前に流行した人気歌手の歌に登場したレストランです。例えばこのレストラン界隈を歩いている時に、その歌が聞こえたらおそらく気分はもう歌の中の主人公になるんじゃないでしょうか。もちろんおしゃれなレストランに限らず、下町のお寺の参道を歩く時、海岸に居る時も草原に居る時も、そこに自分を置くことのあと押しを音楽が提供してくれるのは楽しいことです。

その文化を提供されたことがまずあって、スマートフォンで音楽を聴くことも当たり前の時代に繋がっていると思います。

haveはスマホを持つこと、doは音楽を聴くこと、beは自分を置くことと言えないでしょうか。歌の主人公になれるような華やかな自分ではなくても、ささやかな暮らしに生きている自分でも、耳元から届く音が自分を支えてくれることが革命的なのではないかと感じます。

大好きなお坊さんの言葉に「生活の中でお念仏をするのか、お念仏の中で生活をするのか」という問いかけがありました。いずれまた触れることになるかもしれません。