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6 他と一緒のことをしないことと、本質を追求することの関係

ビジネス書で「他社の真似をせず独自の道を行く戦略は、真に本質を追い求めることを目的とする場合に意味を持つ」といったような論を読みました。

とても新鮮でした。ともすれば他と違うことをすることを目指してしまって孤立したり、市場の声に耳を傾けることに注力しすぎて他社と同じことしかしなくなることがよくある中で「唯一性と本質性」を論じていたからです。

顧客の声を聞こうという場合もごく普通のやりかたでは独自性を持った開発は無理で、ただアンケート調査をしよう、グループインタビューをしよう、訪問調査をしようということになっても顧客がいつも正解を持っているわけではないという感じでしょうか。

いまはもう過去になったサラリーマン経験では、つねづねこういう課題に向き合っていたように思います。インタビューには特別な技術が必要だとか、マーケットシェアと利益とか・・・。

ただこれは、ビジネス書の中だけにおさめる話ではないと思います。また、技術の進歩がそこにあるので顧客の気付いていないことが世の中にはあるといった内容だけにおさめる話でもなさそうな気がします。営利を目的としない組織やもしかすると家族の運営においても、他と一緒のことをしないことと、本質を追求することに意味を感じるならば、何かヒントがあるかもしれません。

たまたま元旦、僻地で作物を収穫したりイノシシや鹿の狩りをしながら子育てをする家族を追いかけるのテレビ番組を放映していました。もう何回目かのシリーズで、幼い子供たちが食肉を獲ることを学んで生きている様子は、訪問する人気タレントの演出とあいまって年の初めのゴールデンタイムを飾るに値するものだったわけでしょう。

食肉を獲ることの本質性は疑う余地はなく、しかしとても真似ができないことに視聴者としては何かを感じるわけでしょう。

団体組織の運営方針を考える場合も、そのあたりはわかっておかなければいけないなぁと思います。