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24 私はいったい何から出来ているのか

お葬式相談の仕事をしている時に、エンディングノートの書き方講座を始めました。世間でもこの種の講座は増えつつあり、終活なる流行語が登場しさらに溢れかえっていきました。おおよそが、遺言信託・生命保険・葬儀・お墓などの営業に誘い込むものか、または「自分史」と銘打って「生きた証を残しましょう」という類の高齢者の自己啓発系の講演のどちらか。さらに相談員や講師養成講座が加わっていきました。

私たちも事業会社の社員であり、営業に関係しなければいけないことは意識していましたが、仏壇屋に身を置く限りは、have領域 do領域 で終わらず be領域 に触れるのが本質と考えてました。また「生きた証を残しましょう」は「自画自賛しましょう」になりがちと違和感がありましたので、
講座の内容は、自分で作っていくことを試みました。

その時に自問自答したことは、いったい人は(私は)いったい何から出来ているのかという問いでした。というのも自分のことを書き残していただくには、自分が見えていることが基本と思ったからでした。

そこで、縦軸と横軸で区切った4つのゾーンを作ることにしました。
縦軸は「目に見えるモノ」と「目で見えないコト」
横軸は「私の所有するモノ・コト」「私のモノ・コト」
すると下の図のような事柄が浮かび上がり、スッキリ整理できたのです。

⑪自分は何から_写真

世間で言うところの、財産や葬儀・お墓、過去の経歴などももちろん包含できるし、何よりも世間では置いてきぼりになっている、いのち・哲学・宗教観も浮き彫りになると考えました。have領域 do領域 be領域を包むことができたということです。

このフォーマットで、わたし自身も整理をしました。過去に積み上げた自分自身と、これから積み上げていく自分自身を描く。そしてその中の何を、このエンディングノートを読んでくれる人に与えるのか。書く側も読む側も、have do be を考えるきっかけになるのではないかと考えました。

作ってみてわかったのは、高齢者のものに限定する必要はなく若い人も考えを深めていく土俵として使っていただけるということでした。