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観るだけでよだれが出る!料理アニメ個人的トップ10 【2023年最新版】

美味そうな料理の描写は面白いアニメの条件。べナオです。

恐らく今年最後の投稿になります。来年も末長くよろしくお願いします。
書いてたら来年になりました。明けましておめでとうございます。

(ポケモンSVが忙しくて書けなかったのはあなたと私だけの秘密です)

ジブリしかり新海誠しかり、自分で真似したくなるような魅惑的な料理は作品の世界観に引き込まれる要因の一つですよね。そんな作品の舞台装置としての料理も素晴らしいのですが、料理そのものをメインテーマとしてスポットライトを当てる料理アニメが僕は大好きです。何を隠そうキャベツとレタスの違いもわからなかった僕が、赤坂のバーでパスタを作るまでに成長したきっかけは料理アニメです。その話は長くなるのでまたの機会に譲るとしましょう。

美味しんぼのようなレジェンドを初めとしたこれらのアニメ・漫画作品は、本来生活の一部にすぎないはずの料理や食事のシーンを、それ無しでは作品が成り立たないようなど真ん中の位置に持ってきてそれを中心にストーリーを組み立てるという膨大な専門知識を必要とするいわば職人芸と言えます。

それでいて専門的になりすぎるとライトな視聴者層は離れていき、専門性が全くないとバズの火種であるコアファンがそもそも付かないという綱渡りを制作上強いられるためか、このジャンルの作品の絶対数はアニメ全体からするとあまり多くありません。

しかしだからこそ、アニメ視聴をこれからがっつり趣味にしていこうという方にとってもおすすめできるジャンルと言えましょう。つまり生き残っていてそれなりに知られている料理アニメは富士山のように高い参入障壁を乗り越えてきた猛者ばかりであって、どれを手に取ってもハズレる心配が無いからです。面構えが違います。

ただしこの道に歩き出すことは、自分の体重との闘いが始まることを意味します。けれど料理の知識を蓄えれば友人を美味しいお店に誘うこともできるようになりますし、料理の腕を磨けばパートナーができたりするかもしれません。できなくても当店は責任は負いかねます。

それでは群雄割拠のアニメ第二次世界大戦をサバイブしてきた、料理アニメ達のトップ10を決めるとしましょう。もちろん偏見に満ちた個人的で独裁的なランキングです。前回のオールジャンルアニメランキングより色んな意味でやばそうです。

このランキングを多くの方に読んでいただくために、一つだけ条件を決めたいと思います。それは美味しんぼのような料理アニメ第一世代ともいうべきレジェンド作品達は殿堂入りとして、ランキング外とすることです。これらの作品をいれてしまうと恐らくそれだけで10作品は埋まってしまい、最近盛り上がっている新しい世代の作品を取り上げられないからです。

さらに言えばレジェンド作品は僕が語るよりも、リアルタイムで熱狂していた先輩方が既に語り尽くした後でしょうし、後から追っている僕が勝てるとも思えません。というか作品数と話数が多すぎて全部視聴するの無理です(こっちが本音。美味しんぼ全136話ってなんやねん)。

ざっくりとした定義ですが、週刊少年サンデー発の焼きたて!!ジャぱんより前の作品は非掲載とします。この作品は現在の主流となっている食事シーンにおけるリアクション芸の原型を初めて打ち出したということで、最新の作品を語る上でも欠かせないでしょう。異論は認めます。

また各作品毎に最も印象に残った料理を一つ挙げたいと思います。

それでは始めましょう!

※目次のランキングでは1~3位を隠してあります。お楽しみに。

第10位 幸腹グラフィティ

2015年に魔法少女まどか☆マギカ物語シリーズで有名なスタジオシャフトによって発表された、原作が芳文社まんがタイムきらら系列の作品です。驚くべきは上に挙げたようなダークなエンタメど真ん中の王道作品を発表した後に、作風を180度変えた日常系のゆるふわアニメを出してくる柔軟さでしょう。よく思い出せばシャフトはひだまりスケッチも作っていますし、こちらの方が本業なのかもしれません。

主人公リョウ(画像左は料理が好きな女子高生でしたが、二人暮らししていたおばあちゃんが亡くなってから突然料理ができなくなってしまうのでした。そこへはとこのきりん(画像真ん中)が、リョウの通う美術予備校に入るという目的で居候にやってきて、彼女のために料理をするようになり、自分以外の誰かに料理をする喜びを思い出していくという筋書きです。描きながら思い出して泣けてきました。

マイフェイバリット料理(今ネーミングしました)は2人が初めて出会った日にリョウが作ったお鍋です。昨日モツ煮込みを食べた影響がかなり入ってます。この時期はやはり鍋ですね。何日続いても飽きない。

第9位 甘々と稲妻

講談社アフタヌーン発の社会人×女子高生系料理アニメ、甘々と稲妻が第8位にランクインです。この作品は比較的新しめのタイトルになります。

妻を亡くした主人公犬塚公平(画面右)は一人娘のつむぎ(画面中央)と暮らしながら高校で教師として働いていました。料理を妻に任せていた公平はつむぎに手料理を作ってやれないことが悩みでした。そんな中、つむぎがTV画面の美味しそうな料理を見つめて「これお母さんに作って欲しいな」というのでした。それは泣くやろ。

動揺した公平は教え子の小鳥(画面左)の家がやっている料理屋につむぎを連れて駆け込みます。営業時間は過ぎていましたが、自分の先生である公平の頼みを断れずに小鳥はそれを迎え入れるのでした。

現実世界で起きたら色々と問題になりそうな展開ですが、そんなことはどうでも良い。全高校教師に希望を与える作品であることに疑いの余地はないでしょう(高校で働いてたことがあるからとは口が裂けても言えない)。

まあそこのあなたの、「この時代に妻にばっか料理させてんじゃねえ。自業自得」という意見も大変わかります。料理できないくせに文句だけ言うおじさんには僕もなりたくないです。そういう問題提起としてこの作品が注目を浴びているという側面はあると思います。そのくらい設定はエアーズロック並みに重いのですが、キャラクターの可愛さがそれを見事に中和していますね。

マイフェイバリット料理は初めて公平と小鳥が力を合わせて作った豚汁です。僕も最近作りましたが野菜をたっぷりと入れるのがコツです。里芋は絶対入れましょう。幸せになれます。この寒い時期には最高です。つむぎ美味しいご飯食べれてよかったな。

第8位 花咲くいろは

喜翠荘へようこそ〜

「これは料理アニメなのか?」という声が聞こえてきそうです。確かに違うかもしれません。好みです。

確かに作品のメインテーマは旅館ですが、料理の無い旅館なんて雑煮と年越し蕎麦のない年末年始みたいなものなのでセーフとします。

伝説の働く女の子シリーズを生み出した偉大なスタジオP.A WORKSのオリジナル作品です。他にはSHIROBAKOなどが有名ですね。

東京で母親と二人暮らししていた主人公松前緒花(画像左から4番目。癖っ毛)は、突然母親が連れてきた恋人と駆け落ちするというカオスな展開から行き場を失い、母の実家が経営する旅館「喜翠荘(きっすいそう)」に転がり込んで中居の仕事を始めるのでした。

初めは慣れない環境に悪戦苦闘する緒花でしたが、持ち前の器用さで従業員と仲良くなっていき、様々な問題や面倒な客をさばいていくというエンタメ色の強いストーリーです。千と千尋の神隠しに近いところがあります。というか今気付きましたが、ファンタジー色を除けばほとんど同じと言っても過言ではありません(P.A WORKSさん怒らないで)。

料理担当のキャラクターは鶴来民子(つるぎみんこ。画像右から3番目)で、喜翠荘の厨房で板前の見習いをしています。彼女は先輩板前の宮岸徹(みやぎしとおる。画像一番右)に片想いをしていて、彼に認められるために料理の修行に励んでいるという全ての料理好きに突き刺さって貫通するような設定の持ち主です。分かる。分かるよ民子。ていうか女子高生に片想いされてる時点で徹さんの来世はダンゴムシあたりでしょう。ダンゴムシ愛好家の方がいたらすみません。

この作品に関してだけで1万文字くらいは語れるのですが、料理アニメとしての覇権は別の作品に譲ることになるでしょう。

マイフェイバリット料理は民子が学園祭で作ったオムライスです。今YouTubeで死ぬほど再生されている(ブームは一段落しましたね)包丁を入れるだけで広がるオムライスですが、これを2010年で既に取り上げている先見の明には平伏すしかありません。

白いコックコートを着た京都の洋食屋の店主が目に浮かびます


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