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#76 ずっとパパを好きでいてね

こんばんは。id_butterです。

離婚からもうすぐ一年が経とうとしている今、なぜかものすごくバタバタしていて、noteを見るひますらない。
今回は、やっとこどもにそのこと離婚のことを言えた、という話。

元夫が家からいなくなったのは去年の秋のことだった。
そのときに宇宙人長女地球人次女にはこんな感じで説明していた。

① 仕事が忙しいのでパパは一時的に違うおうちで暮らすことになった
② パパはパパのままなので、宇宙人と地球人とはいつでも遊べる

一年前のあるひの我が家

先日、この情報はこんな感じ↓でアップデートされた。

① パパは恒久的に違うおうちで暮らし、もうこの家には戻らない
② パパはパパのままなので、宇宙人と地球人とはいつでも遊べる
③ ママはもうあんまり実はパパが好きじゃないけれど、宇宙人と地球人はママと別の人間なので、いつまでもパパを大好きでいてもいいし、いてほしい

数日前の我が家

地球人次女は、パパとこのうちで一緒に寝られないことを少しだけ残念がっていたが、もういなくなって一年が経とうとしている今、その状況に慣れていて、そこまでショックを受けていなかった。
もともと、地球人はパパに遊んでもらったことが少なかったのと、わたしにべったりだったから予想通りだった。

そしてわたしがもともと心配していたのも、宇宙人長女の方だった。
彼女は、ずっとパパをあきらめていなかった。
楽しいとき、いつも「ここにパパがいたらいいのに」というのだ。

宇宙人長女と元夫の縁は、地球人次女とのそれより深いように見える。
元夫はそれはそれは彼女を可愛がっており、当時休みが合わないわたしを置いて、いつも二人だけでいろいろなところに出かけていた。
”ハレとケ”ということでいうのであれば、元夫がハレ担当でわたしはケ担当であり、彼女にとって楽しい思い出はパパとセットなのだった。

もうひとつは、性格の相性である。
宇宙人長女と元夫は似ている。血が濃いのかもしれない。
楽しいことが大好きで、後先を考えない。優しくて甘くて流されやすい。
だから、波長が合うのだと思う。
地球人次女の地に足の着いた現実的なところは、半分宇宙人のわたしを凌駕するので、波長は異なるのだと思う。
地球人次女にとって、パパは好きだけれど必要ではない存在だった。
けれど、宇宙人長女は自分に似ているパパを必要なのだと思う。

だからこそ、わたしは元夫の持つ一面を宇宙人長女に知られることを恐れていた。
前にも書いたある事情から、ふたりが近づきすぎることも怖いのだ。
無理に引き離すのではなく、自然に離れてフェードアウトしたいと願った一年だった。

宇宙人長女は最近とみに女の子らしくなってきた。
もともときれいな顔立ちで、骨格もきれいなので、自分の娘か?と思うほど離れて見ると美人さんなのだった。(ただししゃべりだすとクレヨンしんちゃんである。)

だから、「いつまでもパパを大好きでいてほしい」というのは、わたしの願いなのだった。
どうか宇宙人長女地球人次女が大好きでいられる元夫のままでいられますように、そういう現実が続いてくれますように、そう願っている。

③の前半部分について、当初は説明するつもりはなかった。
けれど、宇宙人長女には自分が納得できるだけの理由が必要だったからしょうがなかった。
わたしにとっては、これをどう説明しようか考えた一年でもあった。
ママはもうあんまり実はパパが好きじゃない、その事実はもうふたりとも知っていた。わたしはあまり隠そうとしてこなかったし、軽い感じで言うことにしようと思っていた。

今回の争点(オーバーすぎ?)はその「好きじゃない」理由である。
うそではない、ただ真実を伝えるわけにはいかない。

結局、わたしは宇宙人長女にこう話した。

・ママはもともとあんまり男の人が好きじゃなく、なんならちょっと怖い。
・それは小さいころに変な男の人にあったことがあるからで、だからあなたたちが遅く帰ってきたりすると心配で怒ってしまう。
・パパもちょっと怖くなってしまった。

何をどう話そうか考えていなかったわたしの口からスラスラと出てきたのがこの内容だった。あまり誰も傷つけない、けれどわたしの不安が反映されて宇宙人長女に少しだけ警鐘を鳴らすことができる、という仕様がすべて搭載され、適度なラインに仕上がっている気がする。

そして、この話は少し宇宙人長女の特性を利用している。
宇宙人長女は自分のことに集中していると弱いのだが、人を守ろうとするときに力を発揮する。
この場合、彼女宇宙人が守る対象はわたしである。

先日、裏の団地から男の人の怒鳴り声がした。
子どもを叱りつける大きな声が結構長く続き、憂鬱になったわたしは宇宙人長女に抱きしめてもらった。
「そうだよね、怖いよね。」
そう言いながら彼女長女がわたしの頭を撫でてくれる。

夕方、自転車を並走させながら、宇宙人長女がいう。
「いつまでも3人で暮らしたいね。」
夕日に照らされる彼女長女は笑っていて、もうだいじょうぶそうに見えた。

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