アイルランド音楽3年生のつぶやき
アイルランド音楽の紹介
今回の記事は僕の大好きなアイルランド音楽について。
皆さんはアイルランド音楽と聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか。無印良品の店内でかかっていそうなBGMやファンタジーを主題にしたようなRPGの民族音楽調のBGMでしょうか。
では実際にアイルランド音楽とはどのようなものか軽く紹介しましょう。
百聞は一見にしかず。音楽を聴くのがいちばん手っ取り早いです。
それでは一つ僕の好きな録音を聴いてください。
ではもう一つ好きな録音をどうぞ。
1つ目の録音は、バイオリン奏者3人とギター奏者2人の演奏。
2つ目の録音は、アイリッシュフルートとバイオリンのデュエットによる演奏。
ちなみにバイオリンのことを民族音楽の世界ではフィドルと呼びます。
クラッシックのバイオリンとは奏法が異なるので今後はフィドルと表記します。
アイルランド音楽は弦楽器や管楽器および打楽器、またコンサティーナといった蛇腹楽器で演奏されます。
今聴いていただいたのはバンドの演奏ですが、アイリッシュパブなどでアマチュアが数人から十数人程度集まって演奏することもあります。
これをアイリッシュセッションと言います。
日本でも各地でアイリッシュセッションは開かれています。
もし興味を持ったなら地元の県のアイリッシュパブでセッションを探してみてはいかがでしょう。
さて演奏を聴いてみてどのような印象を抱いたでしょうか。
「お、結構速い音楽だな」とか「楽譜を全くみてない!」とかその他色々でしょうか。
2つ目の演奏が、特にアイルランド音楽の特徴を表しているのですが、フルートもフィドルも同じメロディを演奏しています。ハモることもなければ、打楽器や和音を奏でる伴奏もいません。
これがアイルランド音楽の面白いところであり、とても難しいところです。『メロディの演奏だけで体が動き出すような雰囲気を醸し出す』技術がアイルランド音楽を演奏する上で大事であり奥深さを際立たせています。
この音楽は、楽譜ではなく演奏者の口承で伝わってきたため、演奏に完璧な正解はありません。奏者によって演奏スタイルが異なり、上述の雰囲気を醸し出せる音楽を演奏することを目指し、奏者は弛まぬ努力を続けます。
さて、このような音楽に僕は3年前に出会いました。
TwitterのFFが、この音楽のプレイヤーだったのがきっかけです。
アイルランド音楽との出会い
Twitterでこの音楽の演奏動画をあげているFFを見て、何これ面白そう!という衝動で2021年の終わりごろに僕もアイルランド音楽を始めました。
京都に「ケルトの笛屋さん」というアイルランド音楽を専門にした楽器店があるとのことだったので早速足を運びました。
最初に手に取った楽器は縦笛であるティンホイッスルでした。
多くの初心者は、この楽器から始めることが多いようです。
2000円程度出せば購入できる楽器なので、初心者でも購入しやすいというのが1番の理由な気がします。
僕もこの音楽をどれぐらい続けるか全く見当もつかなかったので、Feadog proと呼ばれるティンホイッスル(D管)と楽譜集などを購入しました。
その後、しばらくあまり本気で練習することもなく半年が過ぎた頃、アイリッシュセッションに行ってみようとなり、ここでどハマりすることになります…。
それがきっかけでしばらく練習していたところ、ティンホイッスルの最上級モデル(Michael Burke)が1万円値上げするという情報を目にしました。
もっと練習してから乗り換えようかと思っていたのですが、遅かれ早かれ買い換えるなら早いうちに越したことはない!(人生の残り時間で割ると1日当たりが安くなるので笑)というマインドの元、楽器をグレードアップしました。
当時は4万円+αぐらいで購入したのですが、学生であまりお金もなく買った分は元を取るぞという意気込みでたくさん練習を始めました。
アイルランド音楽初心者でイマイチ練習に身が入らないという方は高級モデルを買うとやる気が上がります。これ大事。
アイルランド音楽の難しさ
最初の方にリズムをうまく作り出すのが難しいという話をしたのですが、それ以前にもっと難しいところがあります。
それはチューンを覚えることです。アイルランド音楽は莫大な量のチューンがあるのですが、セッションでは楽譜を見ずに演奏します。そのため、知らないチューンは基本的にセッションに参加できません。
セッション上級者は何百ものチューンを体で覚えているのですが、初心者の間はセッションの曲についていけないことがほとんどです。
時々、セッションの常連さんが、声をかけてくれて1,2曲演奏ができます。その時の幸せな時間と、ついていけない悔しさをバネに練習します。
ここでセッションに行く足が途切れたりもするのですが、ここをめげずに頑張って練習するとだんだん演奏できるレパートリーが増えて楽しくなります。
まだまだ僕も初心者の域を出ないので中々苦しいところがあるのですが、前のセッションでできなかったチューンが次のセッションでできるようになってる実感などを感じられるようになりました。
始めたての時は楽譜を見て、演奏できそうなチューンやちょっと演奏してみて好きだなと思ったチューンを覚えていました。
ですが、実際のセッションの場に出て楽譜を見ずに演奏できるようになるには結構大変でした。
また一応、楽譜をまとめたサイト(The session)もあるのですが、演奏の正解は楽譜には書かれていない上、同じチューンでも若干メロディが異なっているものがたくさんあります。
そのためセッションの録音やYouTubeの好きな録音を耳コピしてチューンを覚えているのですが、これが大変です。
そんなに音感が良くないので、耳コピも一苦労です。
音楽ばかりやっているわけにはいかないので、1週間で1チューン覚えられればいいペースなのですが、100曲ものレパートリーを身につけるにはあとどれぐらいかかるんだろうなあと悩んでいます…笑
現在のアイルランド音楽への向き合い方
そんなこんなでアイルランド音楽を続けているとその魅力にどっぷりハマってしまいました。
最近はアイリッシュフルートやフィドルを新たに手に入れて、いろんな楽器を演奏できるように試行錯誤中です。基本的にどの楽器になってもメロディは一緒のため、楽器が演奏できるようになれば、基本的には同じことを演奏すれば良いです。
他にもせっかくのダンス音楽なのに踊らないのは勿体無い!ということでアイリッシュダンスも始めました。
このダンスもたくさん種類があるのですが、セットダンスと呼ばれる8人で輪になって踊るダンスを習得中です。
中々アイルランド音楽を始めてから障壁がたくさんあるのですが、セッションやダンスで知り合う方々はみんな優しいので楽しくアイルランド音楽を続けられています。
もし、これから新たにアイルランド音楽を始められる方の少しでも参考になれば幸いです。
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