●情報の出し方
私は、善意の心とか、
社会的責任などという観点ではなく、
売上の確保の観点から、
ホテルや旅館に積極的に
バリアフリー情報を出して欲しいのです。
売上、落としていますよ、という話です。
今日は「情報の出し方」を指南致します。
ホテルや旅館、レストランなど
サービス業に携わっている方は
ぜひ参考にしてください。
★バリアフリーは必須の情報
高齢者社会です。
お足元が悪い方が外出する機会は
大幅に増えています。
バリアフリー情報は福祉情報ではありません。
マイノリティの為の情報でもありません。
営業時間やメニュー、客室案内と同様、
今の時代、必須の「情報である」と心得て下さい。
★ありのままを伝える
老朽化しているとか、
言い訳はいらないので、
ありのままを伝えます。
「入り口に15段の段差がある」
「2階へは階段のみ」
「食事処は座敷のみ」
これは禁煙喫煙と同じ論理で
良い悪いではなく「事実」を書くことが
大切です。
「当店は全席喫煙可能です」と書けば
煙が嫌いな人は「行かない」という
選択ができます。
情報を出して、利用者側に
選んでもらうのです。
★事実を伝える
バリアフリーに関しては
「当館はバリアフリー対応です」
とか
「当館はバリアフリーではありません」
と言ったイエス、ノーで論じては
いけません。
車イスアスリートの廣道純さんと、
要介護5のご高齢のお母さんtoday
求めることが違うからです。
そして情報は、
できるだけ言語ではなく
写真や図面で客観的に知らせる
と尚よいでしょう。
あくまでも、
情報をそのまま伝えて、
使う側に「これなら使えそう」とか
「これは、無理だな」と判断して
貰う材料を提供するのです。
★出来ないことも伝える
バリアフリーに関しては、
1.出来ること
2.出来ないこと
3.お金は掛かるができること
の3つに分類すると判りやすいです。
例えば送迎について、
「当館のマイクロバスで良ければ送迎可能です。」
と、写真付きで掲載すると良いでしょう。
出来ないことは、
「スタッフの人員配置に限りがあり、
館内移動の介助や入浴の介助はできません」
と明確にしましょう。
お金が掛かるが出来ることとは、
「当館には福祉車両の用意はございませんが、
介護タクシーの会社を紹介することはできます」
のように周辺情報を提供することです。
★決めつけない
「滑るからやめて下さい」
氷の世界と言う遊園地のアトラクションに
娘さんと入ろうとした、車イスアスリートの
廣道さんは、入り口でアルバイト
スタッフに制止されました。
「中は氷です。車イスでは危ないので
入らないでください。」
「え、スケートリンクみたいな感じ?」
「いえ、絨毯は引いてあります」
「だったら、すべらんやん?」
「でも、危ないので」
「階段とか急な坂があるの?」
「いえ、中はフラットです。」
「すべるとこ、ないやん」
「車イスでは危ないのでやめてください」
車イス=弱者
障害者=一人ではなにも出来ない
障害者=病人で常に助けが必要
そんなステレオタイプの決めつけが
社会を窮屈にします。
氷の世界は、最初から最後まで
絨毯ですから、私も滑らないと思いますし、
滑るから危ないのであれば、
杖のお年寄りや、ましてや駆け出す
恐れがある子供なんで、危なくて
入館させられません。
私は嫌がらせや嫌味を言っているのではなく
世の中の「障害者観」は多くが思い込みだと
言いたいのです。
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