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プラセボ効果・偽物効果はすごい

 この世の中で„偽物“が大活躍する機会というのは中々ないと思います。
しかし、今回はそんな偽物を専門に扱う会社をご紹介したいと思います。

プラセボ効果という言葉を聞いたことがありますか?別名プラシーボ効果とも言われています。プラセボ効果とは、偽薬(プラセボ)を投与することでみられる治癒効果を指す用語で、“薬を服用したという安心感”などの心理作用によって症状が改善する現象のことです。

 滋賀県大津市にプラセボ製薬株式会社という企業があります。会社名がそのままプラセボ製薬なのが面白いですね。【プラセボを人の為の薬としよう】を理念に掲げ、世にプラセボを送り出しています。人の為の薬=偽薬という訳です。この会社が扱う製品はプラセボだけです。その名も本物の偽薬「プラセプラス®」です。より本物に見えるようにアルミとプラスチックでできたPTPシートに個包装されています。有効成分を全く含まない言わばラムネ菓子みたいなものなので、何の害もありません。

さて、この偽薬が今どのような場面で活躍しているかというと、実は介護の現場なんです。

認知症の高齢者は既に薬を服用したのに「まだ今日の分の薬を飲んでないから下さい」と日に何度も言い、職員や家族が困ってしまっています。もう今日の分は飲んだからあげません。と言っても納得してもらうのは難しい事です。認知症を患っているので説得がより困難になります。そのような場面で活躍するのがプラセボです。プラセボを飲ませてあげれば患者の気持ちは収まります。薬を飲んだという行為自体が安心感を生みます。

※画像はイメージです。

プラセプラス購入者を対象としたアンケートにあった声の一例で、不眠に悩むパートナーの誘眠薬依存打開のために利用しているという声や、幼稚園バスで酔ってしまう幼児に母親が酔い止め薬と伝えて飲ませ、バス酔いしなくなったという声もあったそうです。 

今はラムネ菓子の様な錠剤のみの取り扱いですが、代表の水口氏は「今後、錠剤においては色・サイズ・刻印・包装形態など異なる偽薬、また別の剤型においてはカプセル剤や顆粒剤などの偽薬も取り扱いたいと考えています」とのことで、プラセプラスのさらなるバリエーション展開を検討中です。

※画像はイメージです

たかが偽物、されど偽物。有効成分を含まない安全な偽薬だからこそ副作用の心配を気にする必要がありません。使い道は無限大です。もしかすると有効な治療法が見つかっていない病気にだって効くかもしれません。プラセボの今後の活躍に期待したいと思います。