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部屋の変遷から分かる「のらきゃっと」という存在の移り変わり

のらきゃっとは2017年から生配信を続けており、彼女のVtuberデビューから早くも2年が経とうとしている。
のらきゃっとはその圧倒的な世界観を生かした配信によって今も多数の視聴者を魅了し続けているのだ。
そんな彼女の世界観を表現する上で極めて重要な役割をする『背景』...
つまり「配信部屋」や「配信ワールド」と呼ばれるものについてだが、これらは実は「のらきゃっと」という存在と密接に関わっている。

今回は「のらきゃっと」と「配信を行う部屋やワールド」についての考察記事となります。

・部屋の変遷

まず、のらきゃっとにおける部屋の移り変わりについて振り返ってみる。
彼女を知っている方ならばよくご存じだろうが、2年間の間に彼女は配信環境の移り変わりが何度か起きている。
当然、時が経てば配信に使うソフト等も異なってきて、背景となる「配信ワールド」だとか「配信部屋」の内容が異なってくるのは当たり前の話である。

ひとまず部屋の移り変わりについて振り返ってみる。

まず、「初期義体」と呼ばれる頃のものについて。
(画像引用:『ゼロからスタート!バーチャルYoutuber、のらきゃっとです!』より)

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全体的にゴシック調の部屋になっており、椅子の後ろには「ねこです」、窓の外にはビル街と大きな月。

彼女の姿も相まってこの世に存在していないかのような幻想感を醸し出している。
何処に行くわけでもなく、この部屋に引きこもっていると感じさせる...そんな箱入り娘のような印象すら抱いた。

そして時は経ち、「第二義体」...舞台はVRCという開かれた世界へ。
そのお披露目動画は桜広場にて撮影された。
(画像引用:『新生のらきゃっと前半 side のらきゃっと』より [現在非公開])

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現実から切り取られ隔絶された部屋から抜け出し、初めて彼女は外の世界へと踏み出す。
そして彼女はこの世界の美しさを知るのです。
(画像引用:『【2018/04/01】VRChatからこんにちは』より)

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(画像引用:『 【2018/04/15】Happy BirthDay To Me【Vtuber のらきゃっと一周年!】』より)

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彼女という存在が私たちの手の触れられる場所までやってきたおかげなのか、生で私たちと触れ合う機会が増えたからなのか…彼女の配信ワールドはやがて家へと移り変わった。
(画像引用:『【2018/05/04】のらきゃっとライブ!【Vtuber】』より)

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このあたりの配信からは家のあるワールドで放送することが比較的多くなり、彼女は最初のうちは以前の初期義体の部屋を作りたいと言っていたが、その言葉とは裏腹に家のあるワールドでの放送回数は多くなっていった。

そして現在の第三義体について。
彼女はバーチャルキャストを利用して視聴者とコミュニケーションをとりながら雑談する配信、そしてVRCでの配信はねずみさんとの日常生活シチュエーションのものが増えてきた。

(画像引用:『のらきゃっとライブ! 雑談 kawaii is 何』より)

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(画像引用:『きゃっとと過ごす「あなたの風邪をひいた日」』より)

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バーチャルキャストを利用しての配信ではこれまでの世界観から隔離されたような印象を抱かせてくれる。
まるで雑談のための別世界で時間も関係なく話し込めるような、そんな感覚になってくる。

そしてVRC配信ではねずみさんと過ごす日々を描き、日常を演出する配信を数多く行ってきているようだ。
日常の中にのらきゃっとと過ごす生活を感じることのできる、そんな配信を意識しているように感じる。

・配信部屋の移り変わりから分かるのらきゃっとの存在の変化

ここまで、のらきゃっとの配信の背景について振り返ってみた。

ここでのらきゃっととの関係...存在の変化と部屋の移り変わりについて考察していく。

まず初期義体のころについてだ。

初期義体のころには「ノラネコP」の夢から生まれた存在であること、またその脆さ、おぼろげな輪郭を表していた。

消えそうな存在…そんな彼女の儚げな笑顔を見てのらきゃっとという存在に惹かれた人も多いことだろう。

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これが初期義体の頃ののらきゃっとという存在だった。

次に第二義体の頃。

彼女はVRCという新たな世界に踏み出し、初期義体の頃の部屋から抜け出してきたようにも見える。

ねずみさんと過ごすうちにその在り方が変わってきて幻想的だった前の部屋が彼女自身も似合わないと思ったのではないだろうか。
そして、ゴシック的な幻想的な部屋よりも現実に近いような造りの部屋に移り住んだのではないだろうか。

彼女はねずみさん達と過ごすうちに現実に触れてみたい…
現実に出ていきたい…
その願いが彼女の存在に変化を促したのではないだろうか。

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いち視聴者としては、家のあるワールドを自宅と呼んで、そこで配信画面を隔て、コミュニケーションをとっているような、そういった感覚だった。
部屋で配信をして、たまには外にお出かけをしてみたり...そんな楽しそうな彼女を見るのが私は楽しかった。

そして今にかけての第三義体。

現実世界にアンドロイドとして顕現することを明確に目標にした時期。
ねずみさんと一緒にお出かけしたり家で過ごしたりする配信の多さからねずみさんと一緒に過ごす毎日を大切にしていることが伝わってくる。

何にもない日常をねずみさんと過ごすことの幸せを今しか味わえないものだからと精一杯噛みしめているのだろうか…

ねずみさん達のおかげで今がある、ということを常に感じていて、ねずみさん達と共にこれからも歩んでいきたいという強い思いの表れがねずみさん達と過ごすシチュエーションの多さに繋がっているのではないかと私は思う。

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そしてバーチャルキャストでの配信では自分を一歩引いたところから俯瞰して見ているような、そんな感覚になる。

普段の自分の世界観から外れたメタ的話だったり、逆にとことん自分の世界観を表す話をしてみたり。

これは自分を概念的存在であると理解しているからこそ、こういった配信を行えるのではないか。

その思いがあの少し無機質なバーチャルキャストの空間を無意識に選んでいるのではないだろうか。

まとめ

のらきゃっとは初期義体から第三義体に至るまで、その「背景」ものらきゃっとに合わせるように変化しており、それぞれの義体の配信からもその時期ごとのねずみさんと自分の関係性の変化、自分に与えてくれた影響の大きさというものが蓄積されているのではないだろうか。
その蓄積を背景から読み取ることができ、その影響は理想の夢という存在だったのらきゃっとを現実に生み落としたいと思わせるほどだ。

今後も彼女の在り方が、私達と共に変化していくのだと思うと、楽しみで仕方がない。

今回こうして過去を自分で振り返ってみたのだが、やはり積みかねてきた毎日は、今も確実に私に影響を与え続けている。

今後も彼女を見守り続けようと心から思ったきっかけにもなったのでとても良かった。

これからも彼女の発展と成長、そして同じ仲間であるねずみさん達と過ごす毎日が幸せなものになることを願っている。



ところで......

―――これで赤点救済レポートになりませんかね……?

なりませんね、はい。

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