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#Self-developement Book Summary 05

#不機嫌な職場 -なぜ社員同士で協力できないのか-
著者: 高橋克徳、河合太介、永田稔、渡部幹


初めに
皆さん大変お久しぶりです☀️
長らく書き込みができずご心配をおかけしたかと思いますが、なんとか生きております笑
実はこの度ずっとやってみたかったお仕事を正式に始められるようになって新入社員として新しいことを吸収していたところコロナになってしまったりだとかでなかなか執筆ができずにいました...汗

さて、今回ご紹介する書籍は近年社内で協力できない会社が増えていることを題材にした、「不機嫌な職場-なぜ社員同士で協力できないのか-」です。
実はこの本書、2008年と14年前に発売されたものですが社会経験がまだまだな私でもなんとなく感じることがあります(学生時代のアルバイト先の社員同士などでも見受けられるところがありました😓)。
恵まれていることにも、私自身年上の友人がたくさんいることから今も大して変わっていないというかコロナ禍でそれが加速している気がする、といったことをよく耳にする機会が多いです。
お互い自分の仕事にしか集中しない、情報が共有化出来ていないなどの問題をどう取り除くかを他の会社からの成功例を例えに探っており、
どこの会社にも起こりうることではあるが、成功するためにはどうするべきかが書かれています。
それではどのようにしていくべきなのか、4人の著者たちからのアドバイスを学んでいきましょう✨



▽日本人は、社会人になると約35年から40年の間、仕事をする。

  サラリーマンを例にして単純計算してみると、

1日8時間職場に拘束されたとして
1ヶ月(20日間)で160時間、
1年で1920時間、
35年間働いたとすると67200時間
 (2800日、8年間弱)

も働いていることになる。
 
残業が日常化していればもっと時間数は増える。
長い時間拘束される職場がもしギスギスしていて、
 居心地の悪い職場だとしたら、仕事に行くのが嫌になってしまう。
 
この本では、ギスギスした職場を以下のように定義している。
 
「一人ひとりが利己的で、断絶的で冷めた関係性が蔓延しており、それがストレスとなる職場」
 
具体的には以下のような職場である。

 
 ・「皆のために」と一所懸命頑張ったのに、反応が薄い😞
 ・熱意を込めて書いた提案メールに、レスポンスがない。あるいは
  冷ややかな反応ばかり返ってくる😢
 ・何回頼んでも、誰もきちんと対応してくれない😓
 ・そのくせ、一方的な指示を出してきて、こちらが対応をしてい
  ないと、キレる😡
 ・ランチタイムは社員同士ばかりつるんで、派遣社員やパート社員
  は蚊帳の外だ😭
 ・イライラした空気が職場に蔓延し、会話がない😑
 ・困っていても、「手伝おうか」の一言がない🥺
 ・「おはよう」等の挨拶もなく、皆淡々と仕事をはじめる😔
 
 現在の自分の職場を思い出してみると、該当する部分が全くない
 こともないが、概ね該当しない。
 
 幸せな職場にいるということだろうか😶
 

▽人間どこかでイライラを感じると、どこかで発散する傾向がある。
 
 その矛先は弱いところへ向き、例えばコンビニの店員さんとか、
 家族とか、部下とか...💧
 
 その場で発散できない職場でのストレスは、自分が関係する周囲に
 毒をまき散らす。
 
 →不機嫌な職場は、どこも共通的な状況が起きているみたいだ。
 
 例えば、何時の頃からか日本の企業にも「個人成果」という考え方
 が出てきて、今じゃ、ある程度定着しているような感がある。
 
 個人成果の考え方としては、自分に割り振られた仕事以外、自分の
 成果にはあまり関係のない仕事には手を出さない、という傾向に
 ある。
 
 でも確かに、自分の報酬につながる仕事量が限定されると、決まった
 仕事以外、やっても自分の成果にはつながらないのであればやら
 なくなるのは当たり前のような気がする…。😓
 
 著者は次のように書いている。


 「仕事は自分で抱え、自分でやりきるものだ。そういった価値観が、強迫観念のように唱えられている」
 
 「さらに、マネージャーから新入社員まですべてが、個人成果へのプレッシャーの中で働かなければならない状況に
 置かれている。
 会社全体やチームとしての成果よりも、まずは個々人が何をどこまでやるのかを明確に約束し、
 その成果=結果がより重く評価され、報酬にも大きく反映される」

 

 こうした状況は、人間関係が希薄化する原因にもなる。
 

 他人の仕事に首を突っ込まないということは、自分の仕事に対しても誰も興味を持ってくれなくなる。
 
 こうなると自分で全てを抱え込むしかない。
 
 →誰にも聞けない、誰からも質問されない、という状況になってしまう。
 
 著者は次のように言います。
 
 「どうもまじめな人ほど、こういった心理になり、自分で抱え込み、
 自分の中で仕事を完結させようと必死になっているように思う。
 こうした一人ひとりが自分の仕事の中に閉じこもり、お互いが
 声を掛けない、声を掛けづらい状態。なんとなく沈滞した冷めた
 空気が蔓延している『関係が希薄化した状態』である」

 
 人間関係が希薄化してくると、さらに状況を悪化させてしまう
 ようなことが起きる。
 
 さらに次のように言います。
 
 「助けて欲しいときに、誰も気づいてくれなかった、誰も声を掛け
 てくれなかった、声を上げたのに手伝ってもらえなかったという
 経験である」

 
 「これを繰り返してしまうと、何もしない方がよいという学習を
 してしまう。『学習性無力感』というものだ。ひどい場合は、自分
 の殻に閉じこもってしまい、精神的、体力的に追い込まれ、つぶれ
 てしまう人も出てしまう」

 
 「その結果、自分の心と身体を守るために、自分の内と外の世界に
 明確に線を引き、そこに踏み込ませないようにする。何か起きたら
 自分には関係ないと無関心を装う」
 
 「それでも踏み込んできたら防御する。さらに度が過ぎると、周囲
 に対して攻撃的な態度を取り始める。自分の領域に踏み込ませない
 ように、自分は忙しいと主張し、踏み込んでこられそうになると
 強く抵抗する」

 
 こうなってしまうと職場の人間関係は最悪の状態になってしまう。
 
 ⇨協力しないとできない仕事のはずなのに、協力が全くない人間関係
 が希薄化した職場では働きたくない。😭


 
▽この他にも、不機嫌な職場では様々な現象が起きている。

 「追い込まれる中間管理職」
 
 「精神的、体力的に追い込まれリタイヤする人が多くなる」
 
 「企業は、産業医やカウンセラーに解決を任せてしまう」
 
 「生産性や品質が低下する」
 
 「不正が起きる」
 
 「他者を軽視し、他者を否定する」
 
 こういったことは、必ず連鎖する。
 
 筆者は転職する前の職場がまさにこのような状況で、何の解決策も提示されないまま転職してしまったと書いている。
 

 では、何が社員同士の協力関係を阻害しているのか?

 著者は三つのことを提示しています。
 
 1.組織のタコツボ化
 
  元もと曖昧だった日本の企業における仕事の定義を、成果主義を
  導入する事によって、明確化することによって、従来の組織が
  持っていた「遊び」をなくし、従業員間の「壁」を高くしていった。
  
 2.仲間に関する評判情報流通や情報共有の度合いの低下
 
  日本の企業が持っていた「共同体」が失われ、共同体が持って
  いたコミュニティや牽制機能が失われている。
  
 3.インセンティブ構造の変化
 
  転職によるゼロからの人間関係構築の不利や、長期雇用による
  安定という「期待」を、上司や先輩を見て実感していたが、
  大きな会社の倒産や容赦ないリストラを見て、期待を実感でき
  なくなってしまい、個人のスキルアップだけがインセンティブと
  なってしまった。
 
 昔の日本企業が全て良いというわけではないと思います。
 
 いろいろな問題がありつつも、曖昧さを抱えた日本企業はそれ
 なりにうまくバランスをとっていたようです。
 
 現在はそのバランスが崩れ、お互いが協力できない個人主義の
 職場になっているのです。

▽このようなギスギスした職場はどうすればいいのか?

 この本には、そのような職場とは無縁の職場として、3つの企業が
 紹介されている。
 
 グーグル、サイバーエージェント、ヨリタ歯科クリニックの三企業
 だ。
 
 読んでみると、「こんな職場で働いてみたい」と思えるような
 素晴らしい会社だが、このような企業はおそらくほんの一握り
 だけだろう。
 
 ほとんどの企業では、何とかしたいと思いつつ、何ともならない
 現実に頭を悩ませているのではないだろうか。
 
 この本では、前記した役割構造、評判構造、インセンティブの
 三つに分けて、それぞれの工夫を説明している。
 
 まとめてみると以下のように書かれている。
 
 1.役割構造に対する工夫
 
  ・共通目標・価値観の「共有化」

   人間は自己最適化しやすい動物である。利己的な行動にひた
   走らないようにするためには、一人ひとりのタコツボを超越
   した共通利益を「共有化」する必要がある。共通利益は必ず
   しも物理的なものを指さない。精神的なものや、定性的な
   状態を含む。
  
   目標の「設定」止まりでは、協力関係構築上、まったく意味
   をなさない。共有化とは、全員が納得して「腹に落ちている」
   状態である。
  
  ・発言や参加の壁をつくらない
  
   組織は会議等での「壁をつくる発言」を許してはいけない。
   
   協力を促進するのであれば、負のエネルギーが組織で伝染
   しないようにするだけではいけない。正のエネルギーが組織
   に満ちるような工夫を加えることも必要となる。
  
  ・「特定の人にしかわからない」状況をつくらない
  
   仕事がタコツボ化してくると、次第にその人にしか、内容が
   分からない状況ができてくる。結果として、他の人が協力で
   きない状況をつくり、手伝いたくても手伝えなくなってしまう。
   この状況は組織の健康を蝕む。
   
   このような状況に陥る前に、誰もが助け合える構造をつくって
   おくことが必要となる。
   
  ・考えた異動と、異動損しない仕組み
  
   「個人の力」の側面から言うと、周辺分野の学習機会となる
   「異動」自体が問題なのではない。問題があるとしたら無目的
   な異動にある。たとえば、「二年たったからそろそろ」と
   いったような、慣習的あるいは玉突き的な異動である。
   
   評価を下げることが目的ではなく、その人のことを考えて
   異動させるのが目的であるならば、異動しても評価が下がら
   ない仕組みを工夫すべきである。
   
 2.評判情報に対する工夫
 

  ・インフォーマル活動の見直し
  
   インフォーマル活動とは、運動会、社員旅行、社員サークル
   等の、社員がセクションや階層を超えて、みんなで集まって
   何かをする活動。
   
   景気の悪化と共に、真っ先に削減された部分だが、知らない
   人と知り合う機会、気楽な関係性を構築する機会も、減って
   しまった。
   
   インフォーマル活動を見直すならば、他の個人的な行事に
   競争力を持つくらいのクオリティーに対する工夫が必要である。
   
 3.インセンティブに対する工夫
 
  ・損得「勘定」から根源的「勘定」へ
   

   いわゆる「馬ニンジン」ではなく、もっと人間の内発的・
   根源的「感情」に訴えかけるようなところにインセンティブ
   のあり方を見いださなければならない。
   
   協力をすると、相手から「効力感(相手から真っ当な反応が
   返ってきた、その時の心地よい感触)」という内発的・根源的
   感情のご褒美を受け取れることが、
 
   自然体の協力行動を引き出すカギとなる。
   
   自分の好意が認知され、自分の好意に効力感を得る。そして、
   その好意を認知してくれた個人、組織、社会に貢献しよう、
   役に立とうとする。その自然な感情が持つ力にもっと企業は
   着目し、工夫を考えるときにきている。
   


 いずれの項目も、短期間で出来るものもなく、そうとうな経営努力
 が必要になりそうです。
 
 しかし、少しずつ始めないとギスギスした職場はギスギスしたまま、
 やがて組織の崩壊を招いてしまいます。
    それぞれの人が、それぞれ出せる力の範囲内でお互いを認める
 ことができる職場を作ることができれば、居心地の良い職場を
 作ることができそうです。


 私にとってまだ何も成し得ていない新人さんだから大きなことなど
 できない立場ですが、本書を読むことでまた違う視点から職場環境を
 観察できるなと思いました。ぜひお手にとって読んでいただきたい
 作品の一つです。

















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