見出し画像

忘れ去られたキャラクターは観測できない

ディズニー・ポケモン・サンリオ…
世界中で人気なキャラクターは沢山いるけれど、不意に何十年・何百年か経ったらそういったキャラクター達でも忘れ去られてしまう時が来るのだろうかと寂しくなってしまった。

完全に忘れ去られたキャラクターというのは観測できない。
(観測できている時点で忘れられていないので)
だから、実際に今までどれくらいのキャラクターが忘れ去られて消えてしまったのかは、知ることが出来ない。

きっとめちゃくちゃ多いんだろうな。
何千年残っている神話だって、昔から語り継がれているおとぎ話だって、その過程で消えていった話やキャラクターがたくさんいるはずだ。口伝、古い書物、語り部の消失、擦り切れて消えていってしまったキャラクター達。

もう絶版になった漫画や小説の中で静かに忘れられるのを待っているキャラクターがいるかもしれない。小学生の自由帳の中にオリキャラがいたかもしれない。会議中の落書きの中にも、事故で失われたデータの中、アイデアの中だけで世に出ずに終わったキャラクター。

きっとそういったキャラクターが行く死後の世界があったとしたら満員になっているんだろうな。落書きのようなキャラクター・気合が入った作画のキャラクター・何百年も語り継がれてきたが途絶えてしまったキャラクター、そういったキャラクターが幸せに暮らしているんだろうか?いや、キャラクターの幸せとは、物語の中で活躍することだから、色んな冒険や日常を過ごしているんだろうか。

でももしキャラクターの幸せが人から愛される・認識されることだとしたらもうそれだけは二度と叶わないことなので可哀そうだな。
そうして、またどこかで転生する機会があったりするのだろうか。

なんでこんなこと言ってるのかというと、自分で作ったキャラクターに愛着がわきすぎちゃって、お話を考えてるのになんだか二次創作しているような妙な気分になってしまっているからです。本当はこのキャラにも生まれてから死ぬまでの一生があって、私が書いているのはその二次創作なんじゃないか…みたいな感覚です。本当はこのキャラクターは平穏な生活を送っていて、事件に巻き込まれて冒険するのは私の二次創作なんじゃないか。

そして、同時にこのキャラは私が書かなくなったらもうその時点で未来も過去も閉ざされてしまい、キャラクターとしての寿命を得てしまうんじゃないか。寿命を得るっていうのは、寿命が延びるというわけではなく、明確に忘れ去られて完全にこの世から消滅する期限ができてしまう、という意味です。私のキャラクターの場合だと、私が死んで、私のPCやクラウド上でのデータがすべて消えて、アップしてるサイトが消えて…そうなったら完全にこの世からは消滅すると思います。

嫌だなあ。言葉にできないけど、なんだかすごく嫌です。
軽いような、重いような…。

20年も前に連載終了した漫画のキャラクターを未だによく書かれている漫画家先生がいるんですが、作ったキャラクターを愛してるんだなってすごく感じます。そしてキャラの誕生日イラストなんかを描かれているファンの方が未だにいらっしゃるのを見ると、作品の終了継続や面白さとはまた別に、キャラクターの寿命という点では、それを伸ばすのは作者の人なんじゃないかな、と思ったりします。

…自分の作ったキャラクターを石に掘って、カプセルに詰めて宇宙に打ち上げれば、完全なる消滅というものは防げるのかもしれない、と思ったり思わなかったり。

完全に忘れ去られたキャラクターの一人一人を観測することはできないので、今日は完全に忘れ去られたキャラクターという概念に対して冥福を祈りたいと思います。

🌸おわり🌸


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?