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木星のワイングラスができるまで🍷🌟①

今回は脚本の構成的な意味でどう作っていったかを記録しておきます。
※見られるという意識はありますが、あくまで研究のため自分のために書いていますのでご了承ください笑

今回は2人の女の子(23歳、19歳)からそれぞれ全く別のエピソードを聞いて、
(2時間半ほどのインタビューを実施)
その2つの物語を重ね合わせて一つの作品にするスタイルでした。

その中で核となる人間関係が
🌟5人組の学生(いざこざがありつつも大切な関係)
🌟昔の私と今の私
🌟関係性のはっきりしない男女
🌟家族関係に悩む女の子たち
の4つでした。

これを7.8人のキャラクターで描こうと(稽古日数的にも制作的な公演規模的にも。また全員メインキャストという目標を達成するにもこの位が私の限界値なので)決め、まずは大まかなキャラクター像を作りました。
結果登場人物は7人となりました。

この時、私はインタビューで出てきた実在する人物たちの要素を持つ、私がよく知ってる人をこの7人の登場人物に当てはめました。

この時点で実在するその人自身を描くことができなくなるのでは?という問題もありますが、
会ったことも話したこともない人間を
たった2時間半のインタビューで「ひとつの役」として描けるほど知ることはできないし、それを知った気になって書いていくことの方が傲慢というか失礼なことのように思ったので、あくまでもインタビューで話されたことを「重要な要素」として扱いました。

その重要な要素を持つ、私もよく知ってる人をモデルにそれぞれの役を描き、
重要な要素としての人間関係になるべく忠実にどのようなシーンを書くのか、どんなやり取りどんな台詞が核として必要なのか、どういうストーリー展開にするのかを次に練っていきました。

①その上で現実ではハッピーエンドになっていない関係を物語上でどうするのか?
②南雲(本作の裏の主人公)を生かすのか、また死ぬとしたらそれは役者やストーリーテラーにとって心理的に安全を確保できるのか?

を1番悩みました。

①の問題については、言い方に齟齬はあるけれど中途半端な進展、中途半端なハッピーエンドを心がけました。
ゴールとしたい理想のハッピーエンドは「仲直りしてまたこの5人で仲良く演劇などの活動をしていて、それが上手くいっている」状態。
今の現実は「絶妙に距離がある状態で5人のメンバーのうち数名で遊んだり話したりはするけど犬猿の仲になってるメンバーもある」状態。
この状況において「中途半端」というか中間のステップ、今後に希望が多少見いだせる状態として今回は
「犬猿の仲になってた2人が川べりで再会して何もせず、ただお菓子を食べながら談笑して、音楽を聞いている」
という状態をエンドとしました。

わだかまりが完全に解消したのでもなく
でもそれがあったからこその関係として。

何もしなくていい関係。
ただ隣にいられるだけの関係。
一緒に何かできるほどではない関係。
なにかしようとしたらまた壊れてしまうかもしれない関係。
だからこそ尊い関係。

そういったものを私としては描いたつもりです。

次に②の問題。
と行きたいところですが1記事1000文字~1500文字という目安をオーバーすること間違いなしなので次の記事でこれについては書きます⋆⸜♡⸝‍⋆

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