父がいない。
微細な点を何百万と打つことで一つの世界を築き上げていることを聞き,その1枚を小冊子で見ました。微細な点を集めて濃く見せている部分,微細な点をまばらにして薄く見せる部分,そのグラデーション。その小冊子の一枚の絵だけでも,気の遠くなるような点と時間と信念の集積が見て取れるものでした。彼は,はがきサイズほどの小冊子の絵の十数倍の紙に,ひたすらに,かつ,思考を巡らせながら点を打ち続けているのです。微細な点を集積し,一つの人格と世界を作り上げていくその所業は,単に途方もない作業を思い
彼との出逢いは2017年10月のパリでした。パリから日本に帰る便が機材故障で欠航となり,真夜中まで空港で待たされたました。空港でじっとバスを待つ僕たち夫婦。ようやくホテルまで送るバスがやって来ると、僕たち夫婦は早々にバスに乗りこみ、他の乗客が乗ってくるのを待っていました。僕たち夫婦の横の座席は空いていて,そこに彼ら夫婦が座りました。僕たちよりも10か20か年上の夫婦。彼は白髪に白髭。若々しい格好でいて厳かな雰囲気を醸し出していました。バスの中では、同じ境遇にある者同士、「大変
2018 サロンドトンヌ出品作品のテーマは 'smog' 2018 salon d'automne exhibited works theme is 'smog'.
Yesterday,I met Bei.Bei progresses.The point drawing world of bei is spreding more and more.
四谷シモン『人形作家』188頁「神や天使といえば、あるとき僕が神というのはなんなのでしょうかと尋ねると、澁澤さんは『虫のようなものだ』と答えたことが記憶に焼きついています。」
四谷シモン『人形作家』187頁 「答えはない。だから問いただすことそのものに意味はないかもしれないが、それでも問いつづけていくしかない生き物が人間なのだろうという答えにたどり着いたのです。」
四谷シモン『人形作家』187頁 「長い時間をかけて悩んだ末、『この世のすべては最初から解決しているのであって、これと言った決まった答えはないな』と自分の中で悟りました。」
beiyonetoの絵は数百万個の点で構成されている。髪の毛の先ほどの点の集合体である。点の集合体が生み出す陰影,光と影。点の集合体だからこそ醸し出される柔らかな風合い,グラデーション,悲哀。
beiyonetoの描く世界は「点」である。「点」の世界である。