神などいないと思った3.11【第6話】
未来が見えてこない毎日を過ごしていた。
日々、耳に入ってくるのは、知り合いや親せきの死亡情報。
そんな毎日の楽しみは、満天の星空。
今まで見たこともないような星まで見えている。そのくらい灯りという物はなく、暗闇に包まれていた。
そんな闇夜にまぎれて、「レイプ」や「空き巣」が多く発生している情報が流れていた。
(レイプに関しては、犯人が捕まったという情報があります)
海外からは、「災害時の日本人の姿勢」が絶賛されていたそうだが、現実はそうでもないと感じる。
話は戻って、私は父に家を出ることを告げた。もう我慢の限界だった。
それと同時期に、弟も家を出ることを決めた。
確か、4月の始め頃だったと思う。
その時、「手切れ金」とだけ言われて、30万を渡された。
家族をバラバラにしてしまった罪悪感は感じたが、内心、希望の方が大きかった。
私は、彼女の家にお世話になる事に。弟は、友達と他県へ移ることとなった。
私は、お世話になった知り合いに挨拶をして、次の日には家を出た。弟も、何日間後には出たそうだ。
後から知った話だが、それと同時に、親もまだ電気もない壊れた家に戻ったそうだ。今だから言えるが、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
私は、彼女の家に移った初日に、初めて泣いた。彼女にばれないように、布団の上で声を殺して泣いていた。
今までの感情や、悲惨な光景がなぜか鮮明に思い出されて、涙を堪えることができなかった。
それから、彼女と結婚をし、内陸へと移り住んだ。
それから5年は、親とも音信不通状態だったが、最近は実家にも顔を出すようにまでなった。
弟は、他県で今も暮らしてはいるが、精神を強く病んでいる。
たまに電話で話すが、「まだ時が止まっている」ということをよく言う。
それは私にもわかる。
復興は進み、街並みは変わっても、人の心の復興は追いついていないのが現状ではないだろうか。
心の復興は、個人で解決していかなければならない。人がどうこうできることなら、多くの人が自殺をしなかった。
そして、時間と共に避けられない「風化」。
忘れてはいないが、考えることは確実に減っていると思う。
解決策は、「自分で何かをする」ということだと思った。
それが、キッカケでこのnoteを書いてみることにしたのだ。
これが、私の「始めの一歩」。
皆を救うことは、無理かもしれないが、何かのキッカケになればいいと思っている。
3.11のあの日、タイトルにもあるが、私は「神などいない、こんな事、神が許すはずがない」と強く思った。
だが、今私が思うことは、「被災者、ボランティアの人達の支援をしたい」と漠然に思っている。
手段などは、分からないがそうしたいと感じる。
やはり、どこか「神」を信じでいるからなのだろうか。
神頼みで、人は救えないし、自分の生活も豊かにはならないが、自分が行動すれば豊かにも、人を助けることもできるかもしれない。
そう震災から8年で思う様になった。
きっと、私と同じように思っている人もいると思う。
そんな人達と一緒に、皆が損をしない活動をやっていきたいと思っている。
これを読んで頂いた人達が、何かを感じてくれたらいいと思う。
そして、同じように思った人は、一緒に行動してほしい。
私なりにこれからも、情報を発信していこうと思う。
「神などいないと思った3.11」は、勝手ながら私の決意表明としたい。
私の活動について、ご意見や賛同して頂ける方は、コメントにて気軽にご意見を頂ければ助かります。