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漫湖

書道家の米早食です。
ラムサール条約登録地でもある…みなさんご存知の沖縄にある漫湖…
湖という名前がついていますが、河口にできた干潟です…海と同じように潮の満ち引きがあり、満潮になると漫湖のほとんどの部分が水の中に沈みます。
この漫湖、琉球王国の時代には干潟ではなく「大湖」(たいこ)と呼ばれていましたが、1600年代半ばに琉球を訪れた中国の冊封使が沢山の水を湛えた風景に感銘を受け、「漫湖」と名付けたようです。

漫湖といえば漫湖公園ですが、マングローブが自生しており、野鳥の飛来地としても有名です。
漫湖公園の目印ともなっている水色の可愛い鯨のオブジェからは一定時間ごとに潮を吹くという演出がされており…他にも環境の保全、再生、賢明な利用、交流、学習について学ぶことができる「水鳥湿地センター」や大型の温室に無数の蝶々が飛ぶ「ちょうちょガーデン」など全て無料で大人も子供も楽しめるものになっていますので沖縄に行く際はぜひご家族や恋人とのデートにいかがでしょうか…

泥の広がる干潟へと変わっていったのは、1960年代からの埋め立ての影響です。
漫湖も埋め立てられる計画があったのですが埋め立てから守ろうと環境保護団体によってマングローブが植えられました…埋め立ては実現しなかったのですが…マングローブは環境保護団体が約20年前に植林し、それが広がりすぎ、漫湖は干上がり陸地化が進んで「干潟の喪失」という状況に陥ってしまいました。

予想以上に繁茂しすぎて、泥干潟の喪失に繋がったという現実が目の前にあるため、環境保護団体に非難の声が上がりましたが彼らは漫湖を守ろうと必死だったのです…

また、環境保護団体を庇うわけではありませんがマングローブが繁殖したのは上流からの土砂(開発行為などによるもの)や、1993年に完成した「とよみ大橋」によって水の流れが変わったという2点が一番大きな理由だと言われております。

何がいいことなのか、悪いことなのか、人という存在自体が業であるのか…効率化とはなんなのか…いろんなことを考えさせられてしまいますが…人は自然の中に存在している限り構造上自然を越えることは出来ないのでしょう…
今日も自然への感謝を忘れず…残された漫湖の恵みを楽しみましょう。

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