フリースタイル日記20191208

新宿。たくさんの人々へフォーカス。溶け出し、煮えたつイメージ。一つの新宿から広がる無数のミクロな波紋。ふと我を忘れると、それぞれの新宿の重なりにいるかのよう。
新宿で傍観者であることは悪くはない。たとえばマクドナルドの二階の窓から見える光景の脈動にはカオスを内包した秩序がある。高架の上ですれ違う電車。信号で立ち止まる人と動き出す自動車のメタル。信号が変われば欲望が歩き出す。緩やかに走る電車の下を自動車が通過する。
ここでは、あらゆる音声を聞き流す、あらゆる光景を見流す、あらゆる匂いを臭い流す術が必要だ。
欲望は最小限にとどめておくべき。今の欲望は、どちらのジャケットを買おうか、通販サイトで買おうか、その程度のもの。残りはコーヒーで鎮める。
スマホに向けられている無数の視線の一つと一瞬繋がる。0.1秒で終わるドラマ。
何も満たされることもなく席を立った。
外から見たらハーバリウムのような空間を出ると、思ったより薄暗かった。
あえて各駅停車で帰るときの心はちょっとばかり優雅だったりする。
まあいいかと思うことにした一日。

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