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それでも幕は今日も上がる

「群青少女」 「やめて!近づかないで」 まさに瀬戸際。 「やめなさい!早まるんじゃない!」 大声で叫ぶのは、警官。 警官がそう叫ぶのも、無理はない。 だって、私は今から飛び降りるんだから。この嫌いな学校の、屋上から。 「もう限界、誰も私を見てくれない!こんな世界に生まれなきゃよかった!」 警官がにじり寄ってくる。それに対し、私は柵を超えて、屋上の崖っぷちまで来ている。 瞬間、風が吹いた。 体は揺られ、足は離れ、空を舞っていた。そして、そのまま下へ。 落ちていく、落ちていく。

    それでも幕は今日も上がる