♯22 耳管開放症という障害。

鼓膜換気チューブ

すっかり飛ばしていた話を一つ。
鼓膜の病的変化、何度も繰り返す反復性中耳炎や滲出性中耳炎などの色々な病気に使われる治療法の一つだ。

鼓膜チューブは、簡易型と呼ばれる細長いストローのような見た目の短期留置型。
返しや糸がついている長期留置型。

基本はシリコンで出来ていてオーソドックスな形が『工』のような形をしたものだろう。

一概に言えないのでぜひ検索をしてみてほしい。
この治療をした事がある人、または経験はなくとも知っている人も多いかもしれない。
しかし長期留置型の鼓膜チューブの形は一つではない。

外れやすい、感染症にかかりやすい、など辛い思いをしていたら可能性が広がる事に期待をかけて、違う形のチューブの検討を医師と相談してみるのも手かもしれない。

さて、ここからは鼓膜チューブと言われるものを知らない人に向けた軽い説明を。
ただの素人の付け焼き刃で申し訳ないが、簡単に、簡潔に。

読んで字の如く鼓膜チューブは鼓膜を切開し、四ミリ程度のチューブを埋め込む手術。
目的は内耳の陰圧と大気を同じにする事や、耳だれの排出。
メニエールによる眩暈の治療など様々だ。

一ヶ月から三ヶ月程度で自然に脱落する簡易型チューブは細長く、見た目はほとんどストローに近い形。
この簡易型は除去した際に鼓膜の穴が自然に埋まることがほとんどだが、一方の長期留置型は5%とは言えど、半年から三年埋め込む事を想定されている作りのため自然に穴が埋まらない事もある。

もし穴が自然に埋まらず、開いたままになってしまった場合は今度は別の手術をしなければならない。

一旦話を戻すが、長期留置型のシリコンは非常に柔らかい素材の為、鍔(ツバ)と言われる返しが付いていても簡単に折り曲げられ、チューブよりも小さい穴に挿入が可能となっている。

よって患者の負担も少なく、部分麻酔により短時間の処置で終了する。

勿論小さい子供の場合は治療に協力的である事が前提だからこそ、そうでない場合は全身麻酔、及び外耳が極端に狭い場合も同じく全身麻酔になる。

どうしても挿入時に麻酔が効いていて痛みがほとんど無いと言えど、麻酔時は話が別だ。
部分の麻酔方法は私が知っているだけでも二種類、麻酔液を浸した綿を鼓膜に置き待つ方法。

もう一つは身に着けている金属を全て外してから横になり、耳に直接麻酔液を注入する。
簡単に説明すると更にイヤホンのようなものを耳に差し、指には電気を逃がすクリップのようなもの付ける。
全ての取り付けが終わったら、規定の時間までイヤホンから微弱な電気を流すイオン麻酔だ。

このイオン麻酔の良いところは流れる電気により細部まで麻酔が行き渡る。
鼓膜の表面だけでは無い為、前者よりも痛みが出る事がほぼ無い。

しかしどちらも体験した私の感想としては、正直どちらも麻酔時の痛みが激しかった。
これは私の鼓膜が単に弱いためかもしれない。
小さい音でも痛みに変わり、且つ効き始めはまるで中耳炎になった時の耳の下にグゥーと押し付けられるような熱い痛みを覚えた。

これを小さい子供が味わうと考えただけでもゾッとする。
もし私の子供は部分で頑張ったよなんていう人がいたら、ぜひ、ぜひ沢山褒めて痛かったねと共感する素振りだけでもしてあげてほしい。

共感というものは人の心を楽にしてくれるから。

次は鼓膜の穴が埋まらなかった場合の話をしたい。
あいにく私はこの治療を受けたことが無いため、ネットの受け入りになってしまうけれど。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?