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小林賢太郎氏のホロコースト揶揄、BBCニュースによるサイモン・ウィーゼンタール・センターの直接インタビュー英訳


まず、個人的にはこの機会にユダヤ人の過去の国際的に残虐な歴史を思い出させてくれたことに感謝します。

このことがなければ、私自身イスラエルやユダヤ人のことをあまり認識しないままだったと思います。

私が気になっているのは、ユダヤ人当事者がどう思っていて何をしてほしいかです。

ユダヤ人の総意ではないとは思いますが、イスラエルの伝統ある新聞社「HAARETZ」が非常に参考になる記事を出してくれました。

内容をまとめるとこういうものでした。

私たちは傷ついていない。
ユダヤ人を利用して小林氏を解雇する理由にしないでください。
このことは23年前のジョークよりも不愉快です。
小林氏の解任を撤回して、炎上の屋根から降ろしなさい。

ユダヤ人コミュニティーにもいろんな性質の団体や思想があり、一つの意見を総意と取るのは疑問があります。

22日にBBCニュースにSWCのインタビューがあったことは承知していました。

五輪開催前でしたので、小林氏の解任会見後であったりして、詳細な理解、和訳をする時間よりことの実態を調べるために時間を使っていました。

イスラム人の個人的な感想の記事や、イスラエル新聞社のジャーナル記事を読むことができ、ことのしだいがより深く理解できました。

落ち着いたので、インタビュー動画の英訳に有志で取り組みました。

小林賢太郎氏の潔白を晴らすには、非常に重要なインタビューだと思います。


BBCニュースによるサイモン・ウィーゼンタール・センターの直接インタビュー英訳

22日には、米ユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(ワシントン)」(SWC)が公式に非難声明文を公開しました。

これに対して英BBCがSWCのエイブラハム・クーパー氏にインタビューしているのでその内容を紹介します。


SWCのエイブラハム・クーパー氏

日本のオリンピック委員会は正しい判断を下しました。
それに(大会準備における)他の難しい問題や、正しい判断(解任)は開会式前日にダメージを与え、さらに困難になりました。


コロナ禍のオリンピックであり、開催される直前に次々起こる解任劇は世界にも伝わっていたようです。

ベテラン俳優の22歳の時の頃からは考えが変わり、何が起こったのかを謝罪した。
他の選択の余地はなかったと思う。
それにプラス、障害者蔑視のこともある。
それは適切だったかと。

ベテラン俳優とか年齢はざっくりとしか伝わってないのがわかります。

障害者をイジメたことも小林氏がやったことと認識されているようです。

これには大きな問題があると思います。

ホロコーストを揶揄したセリフではないこと」と「障害者いじめ」は小林氏がやったことではありません。

小林氏をベテラン俳優だと勘違いしているようでした。

障害者いじめ」の部分は少なくとも7月24日には削除されていたようです。

SWCに小山田氏の情報も一緒に伝わっていた形跡があり、はじめの声明文では混同した形になっていました。

24日は「障害者いじりをネタに」という部分は訂正・削除されたようです。


ご存知のように、世界規模の困難に立ち向かっている。
私たちは皆、コロナに立ち向かうファミリーの一員です。
誰にも終わりがみえません。
私たちは日本の正しい動きを望んでいるし祈っております。

アスリートや開会式が注目され、大会がうまくいくことを望んでおります。
開会式においては、きっと才能ある若い人たちが準備をしていると思いますので、素敵な音楽やダンスを私たちに見せてください。

BBCインタビュワー
ここ数日例のビデオが出回りました。
あなたは実際にそのビデオを確認しましたか?

私は映画評論家でも政治思想化でも風刺の検閲者でもありません。
私は一つのことを知っただけです。
ホロコーストのジョークのアイデアを、表現や文章、もちろんビデオに使わないでください。
そして、若輩者だった1998年に起こったことであることは、私も認めます。

ホロコーストを揶揄することは、表現やビデオに使わないでください。

若気の至りで仕方なかったことなのは私も理解している。

ずっと世間の注目を集めていたとしても、この種のことは誰も不適切だとは思いもしなたことは、残念なことです。
犠牲者への謝罪は形式的に行われました。

ずっとこの動画が見られていたとして、誰もこのことが問題だと思わなかったことは残念に思う。

彼は謝罪しました。
私は翻訳を読んだので、おそらく私は完全には理解できませんでしたが、各関係者も我々の生命を理解していただけると確信しています。
彼が引き起こしたことの根深さや、被害や苦しみ、私たちは十分に苦しんでいると言っても差し支えないかと思います。
それは正しい決断でした。

「SWCの主張が正当で当然のものであると確信している」ってことですね。

当然の声明だと思いますし、これは本当に心から共感できます。

ですが、事実でないことが伝わっているのです。

組織委員会は準備で手一杯です。
私がそう言った理由は、次のスケジュールです。
64年のパラリンピック大会のオリンピック村で起こったホロコースト。
そして今年の障害者の素晴らしい業績を讃えるためです。
大量虐殺とは対照的に。
1930年初期から後半にかけてナチスドイツが障害を持つ自国民に対して行った大量虐殺に近い。

BBCインタビュワー
エイブラハム・クーパーさん、サイモン・ウィーゼンタール・センターからご参加いただき誠にありがとうございます。
お時間いただきありがとうございました。
開会式が24時間前に迫った今、1年遅れた大会は非常にたくさんの困難にぶち当たりました。
ですがそれとこれは別の問題です。


まとめ この事件の問題点は事実確認をしないで迂闊な行動を取ったこと

SWCのエイブラハム・クーパー氏は、報告を受けたことに対して正当な声明を出したと思います。

イスラエルの、ユダヤのおかれた歴史を、端的にわかりやすく説明してくれていました。

声を荒げる様子もなく、おだやかな博士のような印象を受け、紳士的だなと感じました。

23年前の小林氏のセリフであるということ、小林氏は東京五輪の演出を行っているということを考慮して、最小限の追求で収めた声明文にしたと解釈すべきでしょう。


中山防衛副大臣の深夜の謎の行動

中山防衛副大臣は夜中に報告を受けたTwitterの動画を確認しただけで、SWCに直接連絡したようです。

中山氏のこの行動は、多くの人が疑問に思ったまでした。

時系列で見ていきます。

↑↑↑Tweet内に名前が書いてないから誤解する人が続出したと思う

SWCの声明文の元になったかと思われる英文。
この英文は中山氏が考えたものではなく、SWCのエイブラハム・クーパー氏という事ですね。

SWCが正式に声明を発表。(日本時間 7月22日午前3:56)

タイムスタンプを見ていくと、一連の流れが時系列で確認できます。


中山氏がこの時の状況をお話ししているYouTubeライブのアーカイブがありました。(私は2021年8月5日に確認しました)

中山防衛副大臣 23日YouTubeライブでのコメント

中山氏のNGワードはカットされています。
(人間よほど意識していないと、必然的に差別的な言葉は口から出てしまうものだと思います)

・Twitterの動画だけは確認した
・Twitterで報告を受けネットの炎上をみて大変だと思った
・すでにネット上で炎上していたので遅かれ早かれSWCの耳にも入るだろうと思った
・中山氏がSWCに連絡した20分前にはすでにSWCは第三者から報告を受けていた
・中山氏が連絡したときに、SWCはすでにコント(切り取り動画)の内容を英訳し始めていた
・SWCはオリパラ開催後に事があかるみになるよりも、前に声明を出した方が騒動が最小限で済むと思った
・橋本会長と官房長官には事後報告となったが報告をしていた

中山防衛副大臣のコメントを聞いて、中山氏の謎行動とネットの炎上とSWCの声明文が一本でつながりました。

時系列でこちらの記事に改めてまとめました。



ユダヤの歴史を考えると「ホロコースト」や「障害者」を揶揄することは許されません。

オリンピック・パラリンピックの趣旨と大きくかけ離れているのですから。

ラーメンズがコントでユダヤ人ホロコーストについて直接すぎるワードを使ったのは、やはり倫理的に間違いであっただろうと思います。

読者のみなさんはどう感じましたか?
率直な声を集めたいです。

次の記事で、ホロコーストを揶揄・利己的に利用したのは誰なのかを考察します。


PS:BBCはSWCに直接インタビューを申し出ているのに、当の日本のマスコミは国内で議論するだけに終始しています。
ジャーナリズムの違いも感じ愕然としています。


一連の記事はマガジンにしてまとめています。

これまでの経緯や、イスラエル新聞社の和訳などを確認したい場合はお読みください。


PS:FNNのニュースを発見

FNNがSWCのクーパー氏にネットインタビュー(短時間)しているのを発見しました。

この時のクーパー氏のコメントは厳しく表情も険しいのが印象的です。



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