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短歌7(1/25~1/30)

やばい旅館結界張ろう寝る前にサッポロビール★のため飲む


切れぬ刃を切れる刃替えた赤切れた青も切れるぞ万能感よ


おねえちゃん宇宙に帰る言い張って妹泣かす帰っちゃやだ


通販のテレビで家のチャイム鳴る 振り向く我の空白返せ


漆黒のゼラチンミルクかけて溶く毎夜毎夜の夜中のゼリー


こんなとき誰かがラインくれないかシャボンのように薄く膨らむ


体幹が弱いからなの座れない君の方に傾かなくては


音楽が見えぬ電線 来る雫 ダウンロードの雨を手で受け


暗い空 我の虚空に浮かばない 明け星ひとつない希望すら


姿消す彼を探して泣く女 あの人どこに埋まってますか


贈られし豆大福は毒よりも毒 嫌いと知ってなおも贈るか


お歯黒が産女と笑う 振り向いて鼻をぶつけた塗壁だった


たらちねの母は信書開封罪 黒いピアノに現場が映る


寝床からおはようを言うおやすみを ゴミ投げランクあるなら1位


秘密さえ墓にも持って入るのに白い頁に簡単に吐く


何してんの君はそこで 餅食うの我慢してるの苺大福


人間は弱くて淡い集まって生きて暮らして三月を待つ


にんにく分解するごとくすぐほろほろにならない家族


静かなる劇 沈黙だけ大切で失敗したとお腹抑える


遅い君ご飯を炊いて待ってるよ待つのがいつか幸せと知る

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