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短歌8


まだゆけてまだ帰らない夜の淵ソルティドッグ塩で驚く


君に向け話してばかりこの口が砂糖のごとくくっついてしまえ


タバコ吸うこと黙っててねって言ってぼくの前で何をしてるの


遠いとこ目指していたの夢だったぼくはそれでも移動している


ぼくの日だ光はあるしカーテンが音立てて開き花芽発芽し


更ける夜君のぐうぐうとぼくのが混ざって誰も聞かないラジオ


手のひらが荒れてもぼくはやめないし食器洗い 君薬飲む


ぼく宿る樹枯れないから百日紅ブランコにして空まで飛んで


ハチドリ飛来して突つくめしべをも ぼくのまなこが穿つキミドリ


指焼ける夢中でたばこ吸い合いて赤い車に灰落ちにけり


目薬を落とす視界が赤になる明日は車庫の雪が落ちる日


朝、指でぐっと伸ばすラメ光る汗や涙で落ちない恋


一筋の煙となって拡散す空かき回し雪となりける


さよならは喉を壊して口を出で膨らんで空、戦の匂い


空穿つ火は多すぎてたくさんのカミソリと鉄パイプ降らせる


花びらがばらばら落ちて水に消ゆウンディーネ戦火かと顔を出し

帳面の雪原ペンを走らせて汽車汽車遠く吹雪いて眠る

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