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電気自動車とV2Xについて

さて、いよいよ技術的な記事を書いてみます。
今回は導入の導入です。問題提起みたいなものをして細かいことは追って記事にします。
記事の書きやすさから最初から専門用語が多いですが、いつかは説明します。

V2Xとは?(第一弾)

早速ですが、V2XとはVehicle to Everythingの略記です。
Everythingとは言っていますが、ある程度何かは決まっています。
異なる技術分野でもこの表現が使われますが、僕の記事においては下記全てをV2Xとして扱います。

  • 電気自動車を充電する。

  • 電気自動車の中にある電池のエネルギーを使って

    • 車内や車周辺で電化製品を使ったり(V2L: Vehicle to Load)

    • 停電時に家に電気を供給したり(V2H: Vehicle to Home)

    • 電気を売ったり(V2G: Vehicle to Grid)

    • デマンドリスポンス[DR: Demand Response]したり(V1G)

    • アンシラリーサービスを提供する(V2G)

DRが何かとかはさておき、まずはこのV2Xに関わる市場背景が重要です。

V2Xに関わる大雑把な市場背景 (第一弾)

非常に大雑把にですが、なぜV2Xが必要なのかというと、

  • 環境対策の一環として

    • 電気自動車の急速な普及が見込まれる

    • 再生可能エネルギー[再エネ]の普及が進んでいる

  • 自然災害の甚大化

が起きているからです。
国によってそれぞれの背景は違います。再エネの普及の理由は日本とカリフォルニア州では違います。
もっと言えば、電気自動車の普及が本当に環境対策ドリブンなのかと言われるとルールメーカたちが….という議論もあります。
ただこの話をしているとこの記事の本題に行きつかないので、とりあえずマクロに大雑把にこういうことがあって、それがV2Xに何かしらの形で繋がる、ということです。
さて、なぜこれらがV2Xに関わるのか考える前に、先に電気自動車とは何か、ということを改めて考えてみたいと思います。

電気自動車とは

実は電気自動車と言った時に、人や立場によって指しているものが異なります。
日産自動車の HPより

電気自動車とは、ガソリンではなく電気で動く自動車のことです。

ガソリン車との違いや仕組みはご存じでしょうか。
電気自動車はバッテリーに蓄えられた電気でモーターを駆動させるクルマです。
エンジンはモーターに、ガソリンは電気に、ガソリンタンクは電池に置き換わったとイメージしてください。
電気自動車とは?
日産自動車HPより2022年11月1日に取得
https://www3.nissan.co.jp/first-contact-technology/whats-ev.html

さて、電気自動車っぽいものを想像した時に、下記は果たして電気自動車なんだろうか、という疑問が湧きます。

  • ハイブリッド自動車[HEV: Hybrid Electric Vehicle, ヘブ]

  • プラグインハイブリッド自動車[PHEV: Plug-in Hybrid Electric Vehicle, ピーヘブ]

  • 燃料電池自動車[FCV: Fuel Cell Electric Vehicle, エフシーブイ]

  • レンジエクステンダー[REV: Range Extended Vehicle, 読み方知らない]

この答えは難しくて、とりあえず僕の記事では下記特徴を持つ車を電気自動車として扱い、対象とします。

  • 車の中にそれなりに大きい電池があり

  • その電池を使ってモータを動かし走行し、

  • その電池を家のコンセントや充電スタンドから充電できる車両 = plug-in

即ち、純粋な電気自動車[BEV: Battery Electric Vehicle, ベブ]とPHEVを対象とします。
また、電気自動車は長いので今後これらをPEV(Plug-in Electric Vehicle)と書きます。
※SAE J3072 (2021)におけるPEVの定義にはREVが含まれていますが、わかりにくいのでこの記事ではこのまま進めます。

電気自動車の特徴にそれなりに大きい電池を持っていることを含めました。
だいぶアバウトな書き方ですが、これがV2Xの大きなアドバンテージの一つです。
多分次の次の記事になりますが、とりあえずここが重要なのを覚えてもらえると嬉しいです。

長くなったので終わります。

追記: トップ画像はクライスラーのPacafica PHEVです。デトロイトオートショーにて。

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