見出し画像

⑤ウォート・チラー

ウォートチラーは、沸騰した麦汁をすばやく冷却するための道具です。代表的な3種類のウォートチラーを紹介します。


1. イマージョン・チラー

コイル状にした銅管を麦汁に浸け、その銅管の中に冷却水を通すことによって、麦汁を冷やします。もっともベーシックな冷却方法で、洗浄や消毒などの扱いが簡単です。使用する際にはきちんと洗浄しておく必要がありますが、ピカピカにしておく必要はありません。沸騰した麦汁にいれれば、煮沸消毒できますので簡単です。シンプルな構造のイマージョンチラーですが、麦汁をワールプールしながら冷却することのできるタイプもあります。これは、ポンプを使って麦汁を麦汁に渦巻きをつくりながら冷却するので、効果的に冷却できるものです。

イマージョン・チラー

2. カウンターフロー・チラー

イマージョン・チラーと逆の発想です。若干ややこしいのですが、イマージョン・チラーよりも効率的に冷却できます。イマージョン・チラーでは、コイル状の銅管には水を流す事で麦汁を冷却しましたが、カウンターフローでは、銅管の中にさらに銅管を通す2重構造になっています(念のためですが、銅管でなくてもOKです)。この2重構造の内側の管に麦汁を通し、外側の管に水を流すことにより、麦汁を冷却します。麦汁が冷却水の管の中を通りながら冷やされるといったらいいでしょうか。 イマージョンよりも早く冷却できますが、銅管内部の洗浄や消毒が必要になるので、扱いがとても大変です。銅管内は目が届きませんので、熱湯などで洗浄・消毒する必要があります。写真では2重構造は見ることが来ませんが、銅管の内側にはさらに銅管が入っています。内側に麦汁、外側に冷却水を流します。銅管の口が4つあるのが見えますが、このうちの細い方(入口・出口)が内側の管で麦汁が通ります。その横から少し太めの管(入口・出口)が外側で、冷却水が通ります。

カウンターフロー・チラー

3. プレート・チラー

何層にも重ねたステンレス(又は銅)内に冷却水と麦汁が通るプレートを交互に配置し、冷却する方法です。熱交換の面積が広いので効率が良いですが、若干高価である点と、内部の洗浄や消毒が必要な点がデメリットです。しかし、手間に見合った効果が得られますので、プロの方も多く使用しています。

プレート・チラー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?