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[私小説] 霜柱を踏みながら

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私小説です。時系列でなく、思い出した順番で書いてます。私の個人的な思い出の物語です。
このマガジンは私の私小説風のエッセイで、月に3本くらい2000文字前後の作品を投稿していく予定です…
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#短編

あのころあの町のクリスマスの片隅で

一歩進むごとに、過去の一歩が失くなっていく。 いつかこの場所もゼロになってしまうのだろう。 『霜柱を踏みながら 20』 子供の頃のクリスマスの思い出はあまりない。現代のように恋人同士がデートをしたり、高価なプレゼントを交換しあったり、家族や友人同士でホームパーティをしたり、私が子供の頃のクリスマスはそんな煌びやかなものはなかった。ただ日常と違うのは町のケーキ屋さんが店頭にワゴンを置いて、何日も前に作ったと思われるケーキを並べて、居酒屋の呼び込みのようにに大きな声を張り上げて