マガジンのカバー画像

映画で知り、本で生き、舞台で弾ける。

73
映画、本、観劇の記録です。 この3本の柱でわたしは成り立っています。
運営しているクリエイター

#観劇記録

【NODA・MAP第26回公演】 兎、波を走る

酷暑の中、新歌舞伎座へと向かう。 最寄り駅にはものすごい人の波で観劇前から酔いそうな気分で劇場へと向かった。この暑さとこの人並み...これもこのお芝居の演出のひとつなのではないかと思うほど、人を酔わせる夜だった。 定時開演。 * 潰れかかった遊園地が物語の始まりの舞台となる。 妄想の世界と現実の世界、その中に時間渦の不思議が織り込まれていく。 とある場所から脱走してきた兎(高橋一生)、妄想か現実かわからない場所で迷子になったアリス(多部未華子)、アリスを探し続けるアリスの

WOMEN'S LIBvol.15 もうがまんできない

幾度となく… それどころではなく、もう数十回大人計画について語ってきたけれど、 今回も語ってみようかなと思う。 万人の方にわかってもらえるものではないと知りつつ、やはり私の人生の歴史の一部なのでどうしようもなくこうやって観に行ってしまう。 大人計画の中の人気シリーズウーマンリブvol.15「もうがまんできない」 かぶりつきで観てきた。 もう15作目?と思うくらい1作目から今まであっという間に過ぎた感じがしている。我が子の成長を見るかのごとくなんとなく感慨深い。 街の片隅で

舞台 ・笑の大学

1996年の初演の時に東京で私はこのお芝居を観た。 当時の出演者は、西村雅彦さんと近藤芳正さんだった。 その後映画化された時も観た。 映画版の出演者は、役所広司さんと稲垣吾郎さんだった。 そして初演から四半世紀経って今回は瀬戸康史さんと内野聖陽さんである。 私の中では「なるほどな...」という納得の配役だと思った。 「四半世紀ぶりに再演します」というお知らせを頂いた時は、一瞬時が止まったような気分になった。27年前の舞台を思い出し、そして自分の27年前を思い出した。 今回の資

クリスマスキャロルは鳴り止まない

舞台『パ・ラパパンパン』観劇記 曲がりなりにも、ちょっとでも舞台に立ったことのある私が悔しいと思うことは、『自分が出ていない素晴らしいお芝居を観た時』だと思う。 「なんでこんな素晴らしい舞台に自分が立っていないのか、あぁ、あのセリフは私が言いたかった」と、素晴らしい出来栄えに惜しみない拍手を送りながらもどこかで「あぁ悔しい」と思っているのだ。 Bunkamuraと大人計画が企画・制作した舞台『パ・ラパパンパン』を観てきた。私のために作れれたの?と思うほど全出演者が私の好き

すべての道は舞台に通ず

2021.4.17(土曜日) Go watch a play 2  ざぁーざぁーと激しい音がしている。走る車の音もタイヤに水気を含んでいるようでスムーズではない。昨夜、お芝居の帰りは傘もささないでいいくらいの小雨だったが、いつの間にか夜は明け本降りになっていた。 その雨のせいか今朝は少し肌寒く、リビングの床暖房をつけた。猫も嬉しそうにお腹を床にペタッとつけてくつろいでいる。私も夫も床にペタッと座り、テレビでニュース番組を見る朝だった。政治家の言葉は私たちの耳を通り抜け雨の