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映画で知り、本で生き、舞台で弾ける。

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映画、本、観劇の記録です。 この3本の柱でわたしは成り立っています。
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2024年4月の記事一覧

【詩集】 真珠 ・荒川洋治

惑わされる...これはきっと叙情の惑いなのかと こうなれば、もうどうでもなれと思いながら読み終えた。 詩というものを読んだことがないわけではない。 子供の頃から現在に至るまで、有名無名に限らずあらゆる詩を読んできた。 そして自分でも詩を書いた。 これだけ長いあいだ詩と関わってきたのに、荒川洋治さんの『真珠』にこれだけ惑わされて、「読み解けるもんなら解いてみる?」と、問われる詩集は始めてだった。 正直に白状しよう。 私は読み解けてはいない。 そもそも詩というのは、読み解くも

茶柱の立つところ ・ 小林聡美

【読書感想文】 茶柱の立つところ 何かの女性雑誌を立ち読みしていたら、小林聡美さんが新刊を出されたという記事を見かけた。 それは日々のことを綴ったエッセイだと知った私は、その足で雑誌コーナーから新刊書コーナーに移動してこの本を買った。 私は小林聡美さんの佇まいというか、持ってらっしゃる雰囲気というか、どこがどうという理由ははっきり答えられないのだけど、とても好きなタイプの女性だ。 以前(2021年1月20日)に『誰もが小林聡美になりたがる』というエッセイをこのnoteに書い