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映画で知り、本で生き、舞台で弾ける。

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映画、本、観劇の記録です。 この3本の柱でわたしは成り立っています。
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2022年7月の記事一覧

HOUSE OF GUCCI

映画[ HOUSE OF GUCCI ]を観た。 テレビでこの映画のコマーシャルが流れてくるたびに「あっ、観たい」と思っていたが、テレビコマーシャルもなくなって、映画フリークたちのブログ記事もピークを終えたところを見計らって観た。 コマーシャルや他の方の感想の先入観がある期間はどうしても観れない性分だなので、いつも一歩遅くなってしまう。 最初は謙虚な夫婦生活をおくっていたパトリツィアとマウリツィオだったが、徐々に自分の権威を主張するようになる様子が不気味だった。 伝統的な家

椿の庭

ずっとずっとずっと観たかった映画「椿の庭」をやっと観れた。 自分自身に心の余裕がずっとなくて、ガサガサした気持ちのままにこういう映画を観てもうまく受け入れられないだろうなと思っているうちに2年の月日が流れていた。 今だ!と思って観た。 すごくすんなり入ってきた。 今で間違いなかったんだなと思う。 物語はそれほど複雑ではない。 神奈川県葉山に海が見渡せる位置に建つ古い家がある。 庭には季節ごとに花が咲き、多くの木々に囲まれた中にその家は美しい姿で存在している。 そこでは絹子(

大人計画 ドライブイン カリフォルニア

昨夜、舞台「ドライブイン カリフォルニア」を観てきた。 開演は午後6時で、会場は家と目と鼻の先くらいのところにあるから10分前に出ても間に合うのに、大好きな大人計画の舞台ということもありもう午後4時くらいからそわそわしていた。結局5時半に家を出て会場の近くのカフェでいろいろ妄想しながら開演を待っていた。 * 始終、涙が止まらなかった。 確かに悲しい話なのではあるが、一言で言えばかっこいい舞台だ。 私は初演(1996年)こそ観ていないが、2004年の再演を観ている。 今回は

私の盲端

朝比奈 秋/私の盲端を読んだ。 全編を通して『便』の匂いが立ち込める。 想像力の豊かな読者ほどそれは顕著に現れるだろう。 私も幸か不幸か想像力は豊かな方だ。 それゆえよりリアルにこの物語と接することとなった。 * 物語は、 ある日、飲食店のバイト先で大量出血をして病院に運ばれた女子大生の涼子。直腸の腫瘍を取る手術で人工肛門になったことを目が覚めてから知った。 その後、バイト先、大学生活などでさまざまな経験をしていく。 そんな中で知り合う同じ境遇の人たちとの奇妙な交流でい