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【考察】NiziU『Step and a step』MV・歌詞に込められた虹プロジェクト

ついについにデビュー曲が披露されたNiziUのデビュー曲。
今回の曲は強いメッセージ性が込められていて、デビュー曲にしてTWICEのFeel Specialのような位置に来たことにとても驚いているが、これこそアイドルがストーリーを持つということのような気がしてならないので、テンションあがったついでに考察をしてみようと思う。

※なお全てが妄想の産物です。


「大丈夫よ そのままで」から始まるStep and a Step。「安心して 遅れてないから」
このMVをラストまで見たとき、ファンの脳内にまず浮かんだのは「活動休止中のミイヒに向けたメッセージソング」であろう。もちろんこの説を否定するわけではないし、事実その通りだと考えるが、「8人で活動をする」という決定を言い渡された8人への、プロデューサー兼作曲者JY.Park氏の思いもあるだろう。
ただ単純にミイヒのことだけを歌っているのかといえば、違うと思う。この曲はどちらかといえば、彼女たちが歩んできたオーディション番組「虹プロ」のストーリーが含まれているのではないか。

「既に特別な君を誇るべきだから」
これはオーディションの一発目でメンバーが言われていたことと似ている。
印象的に思い起こされるのは、有名人である両親の評価を気にして力んでいたリマへの言葉だろう(どうやら本人は言葉自体は覚えていないらしいが)。JY.Park氏はそんな彼女に「肩の力を抜いても十分君はすでに特別な子」だと告げた。
彼はこのことを繰り返し他のメンバーにも言っていたように思う。君らしくナチュラルである。これが彼が虹プロ参加者、そしてNiziUに常に求めていたものだった。簡単なようで、これは自分の魅力を伸ばせということなので、自己認識、自己プロデュースがとても重要となってくるものだ。デビューに向けていろんなレッテルが張られていくことになるだろう彼女たちに、彼はもう一度「既に特別」という言葉をかける。この意味に親心を感じる。

映像や歌うパートなどを考えていくと、さらに考察(つまり妄想)が進む。

リオは国立競技場(まさかのロケーション)のトラックで躓いてしまい、足首を抑え座り込んでいる。

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彼女のオーディション中といえば、「求めるのはダンサーではなく歌手」という課題があった。彼女の武器であるダンスを奪うようなとても辛い言葉だっただろう。アマチュアに見えるとJY.Park氏に直接言われていたこともある。そのスランプの中にいたリオを思い出さずにはいられない。

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アヤカは時計の空間にいる。彼女はメンバーの中でもかなり遅れをとっていたメンバーだ。最初のオーディションの時点でプロになるという意識がメンバーの中で一番低かったし(オーディション受けてから自覚したレベルだろう)、東京オーディションも最下位滑り込みでクリアだ。ダンスも長年やっていたが趣味の一つだったと本人が言っている。
焦りもあっただろう。宿舎でメンバーの前で泣いてしまったという話もある。時間に取り残されたアヤカだ。

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カラフルなキューブの空間にいるのはリマだ。彼女はラップが目立つが、歌唱力もあり、練習生としてダンス力もある。トリリンガル(韓国語は勉強中なのであろうが)で多彩であり色んな引き出しを持っている。吸収力も高いのだろう。彼女は韓国合宿に行くまで、自分らしさを一番問われていた。ありあまる引き出しの中から、彼女は何を選ぶのか。

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マコもまた沢山の扉から正解の扉を探している。一見リーダーを突き進んできたように思う彼女だが、コンセプトが分からないと悩んでいた彼女も多彩であるからだろう。努力家で真面目。しかし一人韓国に来てなかなかデビューできずに、練習生としてともに歩んできたITZYや同期がいるStray Kidsのデビューを見てきた。年齢的にもラストチャンスだと思って参加したオーディション。彼女の行く先はどこだろうか。(にしても凄い高いヒールでガンガン走るポテンシャルの高さ)

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リクもまた高い階段を見上げている。もともとのセンスがずば抜けていたことで勝ち上ってきた彼女だが、素人同然で参加したオーディション。歌唱力を評価されたが、そこにはミイヒ、ニナという天才がいる。明るく見えるが、韓国合宿初日から涙を流していたメンバーでもある。勝ち残るには、どうしても階段を昇るしかなかった。

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ニナは迷路の中にいる。
(ちょっとカードキャプターさくらの世界観がある)
最年少で、まだ自分が何者かもあまり分かっていなさそうな才能の塊は、なにが正解なのかもわからない。ニナはいつも迷っている表情が垣間見えた。オーディションが終わるまで、笑顔がここまではじける子だと思わなかった人も多いのではないか。アメリカ育ちのため文化の壁もあったという。「なんか寂しい時だってその手を伸ばせば Take my hand」というのも、まだ幼くて甘えん坊のニナらしい歌詞に感じる。

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マユカは一人森の中をさまよっている。リボンの意味はカワイイから無くてもいい。その表情はまるでオーディション初期の自信が全くない彼女のようだ。自分の魅力が分からない。順位もよくない。周りに気おくれしてしまう状態。ゆえに地味。事実デビュー後のあの魅力爆発具合は初期には想像もつかなかった。

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そして、マヤミイヒ
ここはセットとして考えたいと思う。二人の関りは何なのか、というと韓国でのチームバトルで二度同じチームになっていることかもしれない。それもミイヒがスランプに陥ってしまった「Feel Special」、そして合格に向かった「Boom Boom Boom」と「Make you happy」だ。その3チームのリーダーはマヤだった。
年齢や環境の変化、長期間の親との別れ、そして大のTWICE好きもあり、ミイヒはTWICEの困難が描かれた「Feel Special」に感情移入しすぎたのだろう。もともと歌詞の意味を込めたいと歌に力を入れていることもあったんだと思う(オーディションで彼女の気持ちを明確に読み取れるのはこのくらいだ)。
マヤは少なからずミイヒの変化などに対応できなかったことを悔やんでいたようだし、それでもミイヒを引っ張ったのはチームリーダーで「お母さん」のマヤだったのかもしれない。
そのあたりは番組で描かれていないが、ここでこのメンバー割にしたスタッフが見てきたNiziUの方が、そのあたりは分かっているだろう。
そのマヤが「白鳥」として、暗い海に浮かない表情で佇んでいるスランプ真っただ中のミイヒを望遠鏡で見つける。


そして彼女たちは動き出す。
ミイヒのメインボーカルから繋がり
「目を閉じて澄ませば 見えてくるよ」
自分を信じたら道が見えてきた、メインボーカルラインのニナ。

赤いドレスを着たリマは自分だけの赤で扉を作る。明るくて楽しいリマの誕生だ。

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「一歩ずつでもいい進め」「楽だけの近道はなくていい」
アルバイトをしてダンス教室に通ったマユカにぴったりな歌詞を奏でながら、彼女は鏡の中に自信満々の新たな自分を見つける。

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そしてマコはやっと自分だけの扉を見つける。これはきっとデビューへの扉。鍵はもう彼女が持っている。

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立ち上がり走り出すリオは歌手になる覚悟を決めたような表情で。
(ダンシングクイーンとしてのリオも見てみたいけど)

アヤカも走る。みんなに追いつけ追い越せと、時間の壁を越えていく。努力の塊が駆け出した。(そして美しい)

リクも意を決して高い階段を昇り、雲を抜けた先には明るい光が待っていた。

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マヤとミイヒは手を繋いだ。
二人の歌割に注目してほしい。

マヤ:Everything will be fine(ミイヒ:be fine)
マヤ:Everything will be okay(ミイヒ:be okay)

全部うまくいく、大丈夫だ。マヤが語り掛け、ミイヒが答える。

そして扉の先でミイヒを迎え、9人で華々しい世界に向かっていく。

「どんな時も隣で いつもそっと 笑顔くれるの My friend」

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これから、彼女たちの物語は始まるのである。


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