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秋の建勢

9月に入ると養蜂作業も地味に忙しくなり、採蜜がが終わった巣枠をミツバチに預けて壊れた巣房を修復させたり、余剰となった巣枠を抜いてハチを混ませたり、抜いた巣枠は冷凍庫に入れてスムシ対策したり、花粉を与えて女王の産卵を促して建勢したり、こまめに蜜蓋を切って産卵圏を拡大させたりと、やらなければならない事は無限にあります。ひっきりなしにやって来るスズメバチの相手もしなければなりませんし、スズメバチ料理の考案もしなければなりません。

朝8時から開始した作業は夕方16時に終わり、夜は久しぶりに映画を観ました。「あたらしい野生の地」というオランダ映画です。1960年代、アムステルダムから50キロの沿岸で行われた干拓事業が頓挫してそのまま放棄された土地が、長い年月をかけて元の動植物相を回復してゆくドキュメンタリーです。とにかく映像が綺麗で、いつまでも見ていたくなるような素晴らしい映画でした。

一次産業に携わっていると、自然に対して人間はどこまで介入すべきなのかという問題に必ずぶち当たります。自然の摂理を利用しつつ、自然への最小限の介入で人間と自然が共生してゆく道を探るのは簡単ではありません。

この世の命あるどんなものも自らを再生する力を持っているのだ          吉本ばなな

できる限り「なにもしない」。私たちにはまだ、その道が残っていた       田口ランディ

行き過ぎた資本主義経済に翻弄され、先が見えなくなって、つい悲観的になってしまう昨今ですが、この映画を観た後は少しだけポジティブな気持ちになれた気がしました^_^

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