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【DTM】中卒でも分かる電源の基礎知識

「電源がよくなると音が良くなる!」ということは知っていても、それが何故なのかはよく分からない方は少なくないと思います。
PCやMacの挙動がおかしくなったり、故障しやすい理由も電源周りにあることも、あんまり知られていないのではないでしょうか。
理解しなくても単純に「こうすればいいよ」が欲しい方もいらっしゃるでしょう。

そこでざっくり、DTMerが知っておくべき電源の基礎知識をメモ書きしておきます。簡単な話なのでご一読を。


電圧が下がると”本体が頑張らなきゃいけない”

中学の理科でオームの法則を習うはずですが、その理屈の説明は完全ぶっとばして、取り急ぎiMacちゃんと電源の関係について図にします。

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iMacは仕様書通りなら100Vから240Vで挙動します。日本の標準的な壁コンセントの電圧は100Vですから、対応電圧の下限で動いていることになります。
家庭用電源の電圧はざっくり3%くらい誤差があり、一時的に100Vを切ってしまうことも少なくありません。するとどういうことが起こるのか。

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iMacちゃんは電圧が下がったぶん負荷がかかります。細かいことは省略しますが、ディスクのリードエラーが起こったり処理発熱量が増えたりします

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そこで電源とiMacちゃんの間に変圧器をかませます。たとえば110Vの変圧器を通過させると、元の壁コンセントからの電源に変動があったとしてもiMacちゃんの対応電圧を下回ることはなくなります。これにより安定した挙動を確保することができるのです。
これはWindowsPCやノートパソコンでも基本的に同じで、下限100Vまでの対応になっているので、その電圧を下回らない工夫があれば安定挙動・故障リスクの低減が見込めるのですね。

スピーカーやアンプも同様に、電圧が対応電圧を下回ると歪みや発熱が発生します。スピーカーは電圧変化が瞬間的で大きいので、余裕をもった電源供給をすれば歪みが低減する→クリーンな音質になるのです。

ざっくり基本はこんなところです。


電気の鮮度をイメージする

スピーカーや録音マイクのノイズについて、必ずしも電源が原因とは限りません。ですが電源サイドでノイズ低減を目指すことは可能です。
基本はDTM専用のコンセントを用意することです。

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家庭用電源は電柱からブレーカーに届いています。家のブレーカーは部屋の区画ごとに分けられているはずなので、確認してみて一番生活に支障がなさそうなコンセントを見つけます。
そのコンセントをDTM専用の壁コンセントにすることで、他の電気機器から発生するノイズをかなり低減することができます。
ちなみに僕の場合はエアコンのコンセントをDTM用にしています。エアコンは使えません(笑)。

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(ちなみにエアコン電源は200Vがきているので120Vにダウントランスして使っています)

とりあえずコンセントを分けるとだけ覚えておくといいでしょう。
壁コンセントに近いほど電気が新鮮で、そこから距離が伸びたり、色々くっついてくると鮮度が落ちていくというイメージで大体OKです。具体的には、冷蔵庫に近いコンセントはノイズ源になっているかもしれません。


原理を理解すれば

「電源タップで音質が変わる」「電源ケーブルを良いものにしよう」というのは、要するに壁コンセントから流れてくる電気をロスなく(あるいは整えて)届けようという発想です。
またクリーン電源、アイソレーショントランスなどは元の電源を整える機器ですが、基本的な考え方は一緒です。

電源周りに気を付けることは現代の音楽家にとって必須知識のような気がしています。PCやMacを使うなら、故障すると困るでしょ。いい音でスピーカーを鳴らしたいでしょ。
元の電気を整えるロスなく届けるを基本にして良いDTMライフを。

詳しいことは割愛しましたが、まずはざっくり知ることも大事かなと思って書いてみました。役に立ったらシェア等よろしくお願いします。電気機器の数値を読めるようになったら、電源機器の購入も怖くなくなると思います。



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