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牛乃ジャズ探訪(3) ビリー・チャイルズ

高知の音楽家・ギタリストの牛心。です、連載ロゴ作ってみました。
音楽製作をやってるときと違ってイラレで画像いじってる時ってBGMが必須ですね。Apple Musicが大活躍し始めました。

ということで、今回はビリー・チャイルズです。

Billy Childs(Pf)

ビリー・チャイルズは1957年カリフォルニア生まれの作曲家・ピアニストです。フレディ・ハバードと共演して一躍有名になったそうですが、僕はソロ名義での作品に偶然巡り合って大好きになりました。

作曲家としての存在感がすごい。特にタイトルトラックであるRebirthの名曲感よ。
パット・メセニー的な駆け抜けるビート、マンネリしないハーモニー、メロディセンス、どれをとっても爽快。
で、僕はお気に入りのポッドキャストでこの曲に触れて、本当にジャズの世界は広いなぁと感激したのでした。自分の好きなスタイルやミュージシャンをもっと探そうと決意したのもこの曲だった。

彼はグラミー賞もたくさん受賞・ノミネートされている大御所なんですが、全然知らなかった。ジャズ界隈ってそういうこと、ありませんか。
だいたい楽器をやっていてジャズを聴くようになった人は、自分と同じ楽器のジャズ・プレイヤーを聴くでしょ。だから凄く有名なプレイヤーであっても、楽器が違うだけで見逃してしまうっていう現象。いつかこの現象に名前を付けたい。

とにかく僕は彼の作曲センスやプレイに惚れ込んだわけです。


作曲家としてのジャズ

ジャズのハーモニーって理屈で分かって組み上げるというより、楽器の演奏能力が向上してやっと体得できるみたいなところがあると思います。
これはジャズに限らないな、ハーモニーの理解には楽器の能力があった方がいいし、プレイヤーとして成長しなきゃ到達できない領域って絶対ある。

ビリー・チャイルズに限らず、素晴らしいジャズ作曲家はスーパー・プレイヤーでもあります。クラシックの作曲家は必ずしもそうではないけど、ジャズの場合は十中八九そうだと思う。おっとホレス・シルバーの悪口は(自主規制)

で、ジャズ即興においても作曲の技法が活用されます。
例えばトーンクラスターの扱い方とか、コンスタント・ストラクチャーの使い方とか、(僕もジャズコンで作曲の課題として勉強したものですが)インプロヴィゼーションの中で「あ、次あれ使ってみよ」と思いつく引き出しなんですよね。

アイデアや引き出しが多いソロの方が楽しい。僕の実感としては、作曲をするジャズプレイヤーのソロはメロディも展開も面白いものが多い。
もっともリリースされてるジャズ・アルバムのほとんどがオリジナル曲で構成されているので、そこまで登りつめてるプレイヤーは作曲家でもあるわけです。

なので思うのですが、これからジャズを勉強したいって人は曲も作った方がいい。

もちろんスタンダードも

ビリー・チャイルズは普通にジャズ・スタンダードもやるので、そちらも聴くと上記の「作曲家らしいソロ」が分かりやすいかもしれないです。


それにしても、上手いなぁ、、、、、憧れるなぁ。

まぁこんなところです。

牛心。
高知在住の音楽家。DTMとか作曲とかジャズとか。バークリー・メソッドを教えるのが上手いらしい。

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