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牛乃ジャズ探訪(4) John Hollenbeck

高知の音楽家・ギタリストの牛心。です、ちなみに自称ミュージシャンかそうでないかは確定申告しているかどうからしいです。本当?

今回もマニアックなジャズプレイヤーを紹介したい。

ジョン・ホーレンベック(Dr)

ジョン・ホーレンベックは1968年ニューヨーク生まれのジャズドラマーですが、彼はドラマー兼コンポーザーとしてJohn Hollenbeck Large Ensembleとして活動しています。

いやー、独特です(笑)
こういうのをジャズ界隈では「ジャズコンポジションもの」と呼んだりしますね。ビッグソング、大曲としてストーリー仕立てになっています。

こういうジャズに触れたことがない人も少なくないでしょう。仮にビッグバンドジャズは知っていても、いわゆるカウント・ベイシーとかグレン・ミラーとか、快適で気持ちいい音楽とは別物ですからね。

ジャズコンポジションものの走りは、個人的見解ですが、デューク・エリントンが最初だったんじゃないかと思ってます。

もうちょっと話を大きくすると、交響曲はベートーヴェンくらいから、その世界観を拡張したのがワーグナー、ストーリー性をジャズに反映させたのがデューク・エリントンなんじゃないかと僕は考えています。

なにはともあれ、ジョン・ホーレンベックはこういった流れの中にあるコンポーザーと言っていいでしょう。
ドラマーらしいポリリズミックなアプローチが特徴で、木管アンサンブルも美しい。独特の世界観で知的なサウンドが魅力です。


即興演奏を含むシンフォニー

全体のフォーマットとしては「メインメロディ→ソロ→メインメロディ」という、ジャズらしい構成になるのがジャズコンポジションものの特徴です。
作曲者にもよると思いますが、基本的にはテーマをモチーフ展開して集結させていくクラシカルな作曲技法で構築されています。

クラシックの作曲と違うのは、楽器編成がビッグバンド+αになっていることと、ジャズらしい即興ソロが挟まっていることです。
即興演奏はジャズの魅力そのものですし、ジャズフレイバーを取り入れた即興演奏を含む曲がジャズコンポジションとして差別化して進化してきたのだろうと思います。

ちなみに僕もジャズコンポジション科に在籍していましたが、こういう大曲を作る前に退学しちゃいました。
ルームメイトのジャズコン科の先輩はずっとビッグバンドの曲を作ってました、四六時中。1週間に1曲ビッグバンドの曲を作ってたなぁ。

まぁそれくらいの鍛錬と実験を重ね、その上で認められた洗練されたジャズコンポジションは、聞き応えがあります。

僕はジャズコンポジション、大好きです。もっと紹介していきますね。

牛心。
高知在住の音楽家・ギタリスト。よくバークリー卒業と紹介されるが中退組なので心苦しくも現場では沈黙を守るシャイボーイ。

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