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【深い】ギターチューニングの基本

「チューナーによって弾き心地が違うという体験をしたことがありますか?」

こう聞かれると、ほとんどのアマチュアの答えは「ない」だと思います。
僕はわりと早めにメーカーによるチューニングの違いに気がつきました。学生時代、一緒にバンドをやっていたベーシストに僕のチューナーを貸したところ「こっちの方がいい感じがする」と言うのです。そうかーと思って自分も他のチューナーと比べてみると、確かにいい感じがしました。
当時使っていたのはKORG DT-7で、現在生産終了していてプレミア価格になっているらしい。

この機種はバズフェイトンチューニングに対応している数少ないチューナーでして、僕のギターはバズフェイトンチューニング対応ではなかったものの「なんかこっちの方が好き」という気分でそちらのモードを使用していました。

当時このKORG DT-7とBOSSのチューナーを使っていたけど、何回試してもKORG DT-7の方が気持ちがいい。コードを弾いた時のキラキラ感、ハイポジションのピッチの良さなど、その効果は明らかでした。
なのでバンドでは基本的にこのチューナーを使い回してチューニングをするようになりました。以後、チューナー選びはとても気をつけています。精度が違ってたりするんですよね。

(筆者はピーターソンのクリップ式チューナーを使っている)

以下、もし知らない方がいらっしゃるならとチューニングの基本を紹介していきます。チューニングが整うとすべてが上手くいく!くらいの気持ちで読んでみてください。役に立ったら嬉しいです。



チューニングの基本①頻繁に確認する

ギターやベースのチューニングで大事なのはしょっちゅう確認することです。クセにした方がいいでしょう。チューナーで確認することを習慣付けておくと、ライブなどで演奏しているときもチューニングの狂いに気がつきやすくなるからです。

チューニングがダメになってしまうと、どんなに演奏が上手くても下手に聴こえてしまいます。もったいないですよね。
特にベーシストのチューニングがちょっとでも変だと、突然下手バンドになってしまいます。気をつけたいところです。

チューニングは演奏すれば狂ってくるものです。弾き方で多少は変化を抑えることもできるのですが、それでも必ず狂います。頻繁にチューナーで確認しましょう。



チューニングの基本②上げながらキメる

「あ、ちょっと上にいっちゃった、ちょっと下げれば・・・・」と、上から下に緩めながらチューニングすると、弦にたるみが出てチューニングが下がりやすくなります。ちょっと上だったとしても、一旦大きく緩めて下げてから、上げながらキメるようにしましょう。これは小技じゃなくて基本です。



チューニングの基本③どちらかといえば”低め”でキメる

ギターやベースはチョーキングなどで音を上げるのは簡単、逆に下げるのは難しい楽器です。高くなっている音を低くするのは難しいけど、低くなっている音を少し上げたりはできるので、チューニングがぴったり来ないと感じるときは少し低めでキメる方が演奏しやすくなると思います。



チューニングの基本④キャリブレーションも意識する

基本的に基準ピッチ(キャリブレーション)は440Hzで初期設定されていますが、たまにずれたままチューニングして気持ち悪いピッチになっている方がいます。周りの人はきっと440Hzなので、自分もそれで合わせましょう。
特にキーボードと一緒にバンドをやる際は気をつけたいところです。
生ピアノと一緒に演奏する場合、ピアノのチューニングを会場の人に尋ねるといいでしょう。クラシックで使用するピアノはだいたい442Hzとか443Hzとかになっています。これにギター440Hzで共演すると悲惨なハーモニーになるので、気をつけましょう。



チューニングの基本⑤気温や照明、温度変化に注意する

弦は温度変化ですぐに緩んだり縮んだりします。ライブの照明で熱くなったり、演奏の摩擦で熱くなったりするとピッチは下がります。逆に寒い場所だとピッチが上がります。これは物理的なことなので、温度変化がある場合は小まめにチューナーで確認するようにしましょう。



チューニングの基本⑥弦が劣化するとチューニングが合いにくい

これは体感的なものなのですが、弦が劣化していくとオクターブピッチが合わなくなってきます。理由は詳しくありませんが、とにかく弦には寿命があり、寿命をすぎるとチューニングが合いにくくなります
ちなみに新しく貼りたての弦も別の意味でチューニングが不安定なので、僕はライブの1週間前に弦交換するくらいが丁度いいと考えています。



【余談】チューニングは徐々に極めていく基本テクニック

恩師が「プロのギタリストになるなら『リズム』『読譜』と『チューニング』が上手くならなきゃ」と言っていました。録音クォリティのギタリストはもれなくチューニングの達人ですし、すべてのプロプレイヤーはチューニングにとても気を使っています。
チューニングは毎日積み重ねて、何年もかけて”美味しい頃合い”をみつける、極めていくタイプのテクニックだと思います。これが正解というものは基本的にありません。自分が「いますごく弾きやすい」だとか「気持ちい音になった」という感覚を磨くような分野です。完璧なチューニングはなく、その場その時によって適切な”幅”がある、と言えばいいでしょうか。
とにかくチューニングはやればやるほど上達するのです。普段から小まめにチューナーを使っていると「あれ、いまちょっと変だな」という狂いに気がつけるようになります。一番シンプルな”耳を鍛える”になるので、音楽をちゃんとやりたい方は特にチューニングには気を付けるようにすると良いですよ。

ちなみに僕はキャリブレーション0.1か0.2くらいの差は聞き分けられるようになりました。ここまできたら変態です笑


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