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よくある依頼(よさこい楽曲編)

気がつけば15年もよさこい楽曲を提供しているのですが、トレンドというか傾向、あるいは定石の依頼があります。定番の依頼を否定するものではないのですが、もしカチンときたらごめんなさいね。参考になったら嬉しみです。
「あるあるww」と笑ってお楽しみいただけたらと思います。

「和楽器中心でお願いします」

約9割の依頼に含まれます。和楽器を抜いてくださいという依頼は経験したことがありません。そしてよさこい楽曲に和楽器を入れない選択肢も僕的にはありません。三味線が好きなのか琴が好きなのかをあらかじめリサーチします。

「和太鼓が効いたものを」

約8割の依頼に含まれます。ドラフトを渡したら「もっと太鼓を強く」の手直しもセットです。和太鼓を強く聴かせるコツはピッチ調整と、逆相フェイズや歪みを恐れないことだと思います。
具体的なリズムパターンを提示される場合は採譜して、完コピすることで自分も勉強になり、クライアント満足度も高まります。

「お客さんと一緒に盛り上がれる」

約8割の依頼に含まれます。大体はコール&レスポンスを求めているので、分かりやすいリズムパターンを2〜4回取り入れると満足度が高いようです。なんなら三三七拍子でいいです。
歌や掛け声を取り入れる場合は、簡単にリピートできるシンプルさが必要になります。とはいえ最終的には煽りや踊り子さんの手腕だったりするので、あんまり深く考えないようにしています。

「よさこい節を大事にしたい」

約8割の依頼に含まれます。この依頼で要求されているのは、コード進行も含めて全体的に古臭いよさこい節である場合がほとんどです。スローで静かな伴奏に歌い上げるような、聞いたことある感じにするとOKになりやすいです。
よさこい楽曲界の巨匠、三谷章一氏曰く「楽曲のどの段階でよさこい節を入れるか最初に決めておくとトラブルは少ない」ということなので、必ずクライアントに問うようにしています。大事にしたいよさこい節の雰囲気がまちまちなので、編曲レベルまで話し合いで詰めておくと安心です。

「終盤に激しく盛り上がりたい」

約5割の依頼に含まれます。これはステージ踊りが中心の地域から依頼される傾向があります。逆に高知のようなストリートを想定していたり、年齢層に幅があるチームでは劇的な展開は「くどい」とNGになることもあります。
終盤に盛り上げるにはクライマックス直前に谷を作ることを意識していますが、それもやりすぎると「ずっと盛り上がっていたい」と手直しになることがあります。

「まったく新しいことがしたい」

約4割の依頼に含まれます。これを真に受けてフランクザッパシュトックハウゼンのような全く新しいよさこいサウンドを作ってはいけません。この依頼の本旨はオリジナリティというより「最新の」という意味合いで、あくまでコマーシャルな音楽の範疇を出ないサウンドを求められているのです。
あくまでよさこいチームに提供する楽曲なので、ちゃんと和楽器を使う、和太鼓を使う、踊れることをキープしながら、テクノロジーっぽいサウンドにします。カットオフとかエフェクトを使うことが正解だったりします。決して超オリジナルなサウンドを目指してはいけません

よさこい楽曲のご依頼はDMでも受け付けてます。本職です。

サポートなんて恐れ多い!ありがたき幸せ!!