『やわらかなレタス』江國香織

江國香織さん好きです!まず、江國香織という名前に相当なセンスを感じる。あれ?本名なのかな?わからん。江國さんの本は何冊か家にありますが、エッセイを買うのは初めてでした。「やわらかなレタス」という響きがいいなと思い、名前買いしました。

まだ最初の話しか読んでないですが、すごく好きな雰囲気だったのでとりあえず忘れないうちに簡単な感想をば。

「あたたかいジュース」の喚起力

のめばほっとして、おなかに灯りがともるみたいな感じだろう。きっと力も湧く。甘味が喉にしみるかもしれない。熱々ではなく、熱々より少しだけぬるい温度であるはずだ。ゆっくり浸透し、身体をあたためると同時に空腹をも軽く満たし、気持ちをなだめ、元気をださせてくれる液体にふさわしい温度。そういうことが全部、はっきりとわかる。色も味も、本の中では一切説明されなくて、でもだからこそ、日常的な、ありふれた、共通認識として、そののみものは、そこにまるごと存在できる。

江國さんは「言葉の持つ喚起力に驚いている」と書いているが、私のような凡人からすると、”自分の中で喚起する→読者に伝わりやすい文章に起こすことができている”という部分に驚いています。

めっちゃ想像しやすい上に「あたたかいジュースという表現の持つ喚起力」って、こういうことか!と理解力の低い頭でも理解できた。

「なんとなくいいな」という曖昧な感想が、江國さんの文章によって「こういうところがいいんだ」という具体的でかつ他人にも理解しやすい感想になりました。やっぱ作家さんてすげえ。

もし私が「あたたかいジュース」に関して何か書かなければいけなくなった時、頑張っても「あたたかいジュースって、甘くて、おなかに優しそうで・・・」等の「あたたかいジュース」そのものに関してしか書けないだろう。

でも、そこから江國さんは以下のように話を続けることができる。しかもくどくなく。

おそらく「何の」ジュースかは全く重要じゃないのだ。ちょうど、私たちが「たのしいお酒をのんだ」とか、「あの人は酒癖が悪い」とかいうときに、そのお酒がビールなのか日本酒なのかワインなのかはどうでもいいことであるように。

はあ~なるほどねえ。たしかにそうだわ。すごいなあ本当に。

「あたたかいジュース」とは、どんなジュースなのかではなく、概念なのである。という事を言っている・・・・と思った。違う?ごめんなさい。ていうか概念ってなんだ?ああ、また思考のループが・・・・・

でもこうやって何で?と考えて頑張ってそれをアウトプットする作業は好きです。だからチマチマこういう感想を上げていきたいと思います。頑張るぞい!

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