手は下、ロセン、そうして描いて

星の見えない夜は、空を見たってしょうがないから

狭い寝床、ここはロフトだから、夏は暑い。
重なった足や腕は、君の体温でもっと暑い。

明かりといえば、エアコンのランプくらい。
開いた瞳孔は、この部屋の暗さと同じくらい暗くて、輪郭を見分けるのに精一杯だった。

不器用な僕が唯一鳴らす事が出来るのは、言葉を伴う音楽だ。
君の耳に、届けられたらいいと思う。

真っ暗な夜だから、耳に星をつけたんだ。
君が欲しがってたから、手の届く所に。

僕の手はいつも下にある。
君は上に立ってるし、それがいい。

ずっとロセンを描いててよ。
君の手を取る王子様を。

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