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価値観

100億円を差し上げよう。
あなたの記憶と引き換えに。

美しい人を差し上げよう。
片思いの人と引き換えに。

安定な生活を差し上げよう。
変化する生活と引き換えに。

欲しい才能を差し上げよう。
お手持ちの夢と引き換えに。

シンプレックスを差し上げよう。
コンプレックスと引き換えにね。

これを提案されたとき、NOと言えるだろうか。
僕は頷いてしまわないだろうか。
生きようと思えるだろうか。

日本には1億円以上/年を満たす人が2%存在する。
50人に1人は富裕層だ。
彼らは平均的な生涯年収を2年で稼ぐ。

目の前にお金を積まれる。
「これを差し上げましょう」
何と答えるか。

普通の人は条件があるかを聞くだろう。
もしくは詐欺か。
事件に巻き込まれるんじゃないか。

「なにか条件があるんですか」
「何を企んでるんですか」
「理由を聞かせてください」

でも、貰おうとはする。
受け取りたいのだ。
その価値を。

無償ならいい。
何もなければ貰わない方が損だろう。
好意は受けっとったほうがいい。

こんなことを書いたら気分を害する人もいると思う。

働いたこともない若僧が偉そうに。
飢えたこともない癖に。
明日のお金の心配したことあるのか。
親が大変な思いで。
お金を頂くということは。
誕生日に物が買えない経験を。
クリスマスに何もないことを。
飢餓。
戦争。
お金がなくて振られたこと。

いくらでも叩いてください。
でも私は言いたい。
だからこそ考えるのだと。

自立せず依存している。
社会に生かされる。
生きる意味を知らず屈辱も知らない。
働いたこともなければ飢えることもない。
戦争も飢餓も病気も経験していない。
何も知らない僕でさえ、お金は必要だと思う。

何者でもない今だからこそ僕は考えたい。

想像を超える価値の塊を目の前にする。
何が思い浮かぶだろうか。
私の欲は何なのか。

良い家が買える。
良い土地を変える。
良いご飯が食べられる。
良い服。
靴。
鞄。
毎日働かなくていい。
世界中にだって行ける。
カメラも携帯もパソコンも。
お酒も本もたばこも。
全てが思いのままだ。
資本主義の世界では、お金があれば大抵のサービスは受けられる。
何ができるではなく何ができないかを考える方が難しい。
全ては自分の手の中だ。
欲望のままに生きられる。

本当に、それで、いいのか。

「いいや、いらないです」

これを言える人は何人いるだろうか。
即座に応えられる人。
価値観を持つ人。

「働いていれば何もいらない」
「朝起きて眠るだけでいいよ」
「この人といれば十分満足だ」
「サウナさえはいれればいい」
「畳に座れれば他にはいらん」

NOを言えるのは人口の何%だろう。
世界にはいるのだろうか。
僕は言えるだろうか。

私の周りにはアルバイトをする人が多い。
でもみんな楽しそうで苦しそう。
親は働いているけど仕事の話はしてくれない。
理解できないし好きじゃないのかな。
時給何円。
お給料いくら。
昇進。
昇給。
忙しい。
しんどい。
でも楽しいよ。

働くって何だろうか。
お金って何だろうか。
価値って何だろうか。

アルバイトを始める人は何を考えるのかが僕は知りたい。
100億円あったら辞めるかを聞きたい。
何に突き動かされているんだ。

私は創作ができたらいい。
文でも。
映像も。
写真も。
設計や分析やコピーライト。

自分から発せられた何かを人に届けたい。

私はお金がないからできないと思ってた。
機材がない。
情報がない。
人脈がない。
才能がない。
実力がない。

でもたぶん違うんだ。
お金がある。
情報もある。
人脈ができる。
才能が与えられた。
実力が付いた。

そうなっても今の自分は創作できない。
その理由。
たった一つの事。

変化しようとしない。

100億を積まれても今の私は受け取らないでいたい。
何の迷いもなく。
躊躇う隙さえ見せず。

「今の僕にはいらないかな」

変化を止める。
感性を備えるための飢え。
充足とは違う何か。

あなたにとってそれは何だろう。
コミュニケーションのスキル。
仕事の成功。
家族の幸せ。
自分自身の成功。

100億を目の前にしても揺るがない価値観をあなたは持っているだろうか。

「100,000,000,000,000円を差し上げよう」

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