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静岡には良いところがいっぱいあると思うけど浜松駅だけで楽しかった話:②炭焼きレストランさわやか

颯爽と走り抜け(主観)辿り着いた「さわやか」。ぎりぎり前に一組いる状態で辿り着けた。

時間は13時前、まだまだ昼時。当然だが店内は満席で、待合も時間に余裕をもって帰ってきた素敵な人たちで混んでいる。肩で息をしているのは私だけだった。

なぜ肩で息をしているのかは①を読んでほしい。「さわやか」には何の関係もないので読まなくてもいい。

入店し、メニューを渡され、「初めて来ました」というと店員さんが色々と説明してくれる。

ばっくりまとめると、ハンバーグのメニューは基本同じハンバーグでサイズとトッピングが違うらしい(多分)。

一応隅々までメニューを見たが、結局大きいハンバーグにするか小さいハンバーグにするかしか悩まなかった。

全然関係ない話だが、自分の最適ポップコーンのサイズを見誤り続けてきたタイプで、「めっちゃお腹空いてるからすげー食えると思う」が口癖のまま29歳になった。ちなみにうちの両親は「自分の食べる最適量がわからなかったために後継ぎから外された愚かな若様」の話を、子どものときから本当に何度もしてくるが、これは全国的に見て一般的な教訓だろうか。

まぁそれは置いておいて、静岡なんてめったに来られる場所ではないので後悔のないよう一番大きい「げんこつハンバーグ」(250g)に。
そして「さわやか」のソースはオニオンソースが定番と聞いたが、やっぱりめったに来られる場所ではないのでデミグラスソースも追加したし、茎わさびも頼んだ。
焼き方はお店のおすすめに。一応よく焼きというのも存在するらしい。


さて、私は『孤独のグルメ』(ドラマ版)が大好きだし、大学生のころからバイト帰りに地元の商店街で1人で飲んで帰る生活をしていたため、1人飯はプロである。はじめてくるお店ならやることがたくさんあるため、スマフォを触っている時間はあまりない。

まずは店内の様子をじろじろ見る。周りの人を不安にさせないコツは、楽しそう2割、虚無8割。「何も考えてなさそうで、でも機嫌は良さそう」な人のじろじろは不快感が少ない(と勝手に思っている)。

内装は普通のファミレスだ。人気店な上、事前に調べた情報によると食材と味へのこだわりが強そうだったので、雰囲気は少し意外に感じる部分もあったが、お値段もちょっといいファミレスくらいのものだし家族・友人との団欒を楽しむにはこれが正解なのだと思う。あと、1人でも気楽だし。だが、うちの近所のファミレスと違うのが、ここには「時間つぶしでなんとなくいる」お客さんはいないし、ついでに「自分ただのバイトなんで」という顔をした省エネスタッフもいない(個人的には、あれはあれでファミレスの味だと思う)。全員が食事に対してマジである。

店の様子をざっくり観察したら、次は空想に耽ってみる。
先ほど悩むべきはハンバーグのサイズくらいだと書いたが、「さわやか」にはハンバーグ以外のメニューも若干ある。
あそこでステーキを食べているお客さんは、はたしてハンバーグは制覇した常連さんなのか、昨日もハンバーグを食べた人なのか、ハンバーグが嫌いなのにみんなが行きたいというから来た心優しい人なのか。

もちろん答えはわからない。私の元友人に、鹿児島旅行の際に「しろくま食べたい!」というからお店を探して行ったら、入店して速攻「チョコレートパフェで」とのたまった女がいる。「なんかすごいチョコの気分になっちゃったんだよね」とそいつは言った。私は、本当は小豆と練乳が苦手なのにここまで来てどちらもしろくまを頼まないということができなくて、1人でしろくまを頼んだ。人間は合理的ではないし、メニュー選択の理由は思いのほか複雑だったりする。

そんなことをしていたらハンバーグなんてあっという間にやってくる。計り忘れたが大体20分強。

運んできたお店の人が最後の仕上げをしてくれる。

お、おいしそ~~~~~

すぐさまナイフとフォークを手に取った。

まずは肉の部分だけ食べてみる。うん、ぎっちりしている。じゅわじゅわ。そして肉以外のものが口に入ってこない。つなぎとかいう概念は燃やしてしまったらしい。
そもそもハンバーグ自体つくるのが面倒くせー食べ物だが、牛肉100%で、つなぎなしでこんなに一体感があって、しかも中が半生なんて絶対家で食べられない。
ただ、肉単体はそんなに味が付いていないというのはネットで見た通り。

そしてダブルで頼んだソース。

賛否両論あると思うが、私は同じ味のものを長く食べるのに向いていないタチなので、この肉量(&実質ハンバーグ二つ状態になる)を考えたら、これが一つの正解といえる。

オニオンソースのほうは噂通り酸味がある。酸っぱいのが得意でない私にしたら、ソース単体では少し酸っぱすぎるほど。しかしこの肉塊を食べるのにはちょうどいい塩梅で、このハンバーグをさっぱりとさせ、20個食べられるようにしている。

デミグラスのほうは想像していたよりだいぶ軽い。そしてオニオンソースほどではないが、これはこれでちょっと酸味がある。ハンバーグの塩味の薄さから行くと、少し味が薄いかもしれない。味変としては悪くない。

唯一、こいつはいらなかったかもな、と思ったのは茎わさび。
いや、茎わさびは美味い。はじめて食べたので私が誤解していただけだ。茎わさびは美味いのだが、単体で食べてもわさび特有の辛みがそこまで強くなく、ソースにはもちろん、肉の味にも負ける。アクセントとしての機能はあまりない。本わさびと同じ力を期待してはいけなかったのだ。
ただ、米には合う。私はあまり炭水化物に執着がなく米に合うことは魅力として小さいが、炭水化物に執着のある人は、これがあると米がもう一皿必要になるかもしれない。
それから、お酒を飲んだ後お茶漬けを食べるタイプなら、どこかの売店でこれを買って帰ったほうがいい。


そんなことを考えていたら、あっという間に食べ終えてしまった。

焼けるのに20分かかったハンバーグ、整理券発行から数えたら2時間待ったが、30分で食べ終えてしまった。

美味いものって、儚い。

だからこの儚さを少しでも自分の中にとどめておくために2,000字ほど使う。
本当は「さわやかのハンバーグ、美味かった」ですべてが伝わるが。


最後にお土産も浜松駅で買って、ほとんど浜松駅から出られなかった静岡。

また来るよ、どこかからの帰り道に。

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