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漫画原作「暗渠魔バスター」

暗渠魔バスター1話

〇黒バックにナレーション
N「暗渠というのを知っているだろうか?」

〇街の至る所にある暗渠の風景
車止めのある公園、苔や草の生えた道端。道路の幅より広い歩道。多すぎるマンホールのある道のカットバック
N「埋め立てられた川の跡が暗渠だ。君の周りにも、車止めのある公園や苔、草がやたら生えている裏路地。道路より道幅の大きい歩道。マンホールがいっぱいある道。などは、もしかしたらもともとは川だったのかもしれない」

地面に耳をつけ、地下の川のせせらぎを聞いている少年
N「耳を澄ませて、聞いてみたら、地下の川のせせらぎがきこえるかも」

その下の地下には、何者かがうごめいていた。

〇タイトル

〇暗闇の中 少年の「たすけて」「だしてよ」の声。
教室の掃除ロッカーの中に閉じ込められていたのは、小学生の佐野圭吾
かけられたロッカーのカギ
ロッカーの前で、笑っているいじめっ子たち。

そこへ現れる、転校生高山昇
ロッカーの中の圭吾が、叫びだす
圭吾    「お前らなんか暗渠魔にやられてしまえ。」
その”暗渠魔”という言葉に反応する昇
はやし立てるいじめっ子。
いじめっ子A「暗渠魔ってなんだよ。」
いじめっ子B「こいつが考えた怪獣だよ。地下にうごめいているんだって」

ロッカーのカギを外そうとする昇
いじめっ子A「何生意気なことしているんだよ。転校生」
いじめっ子B「お前もいじめられたいのか?」
いじめっ子C「この学校にいられなくなるぞ。」
向かってくるいじめっ子に、手のひらをかざして、いじめっ子に向かって、光のようなものを出す昇。

いじめっ子が無気力になり、教室を出ていく

ロッカーのカギを外す昇、はんべそで、ロッカーから出で来る圭吾
圭吾 「ありがとう」

〇帰り道
昇と圭吾が帰っている。
圭吾 「あれって、催眠術?」
見られたか?という顔をしている昇
圭吾   「ほらっ、あのあいつ等をおとなしくさせて、教室から出させたのって」
昇がその言葉を遮るように口を開く
昇    「暗渠魔のこと詳しく聞かせて。」
圭吾   「暗渠魔は実は僕が作ったモンスターなんだ。僕、暗渠つまり、埋め立て
      られた川というのが東京じゅう走っていて、僕はそれをたどるのが好き
      なんだ」
冷静な顔をして聞いている昇
圭吾   「でね、最近東京などで、震源地が特定できない新しいタイプの地震が発
      生してるでしょ。あれって地下にうごめいている何かがおこしてるん
      じゃないかって」
昇    「暗渠魔は本当にいるよ。」
圭吾   「暗渠待っているの?どんなの?僕暗渠の入り口を見つけたんだけど、一
      人で入らなくてよかったよ。そんなのに出くわしたらこわいもん。」

〇桃園川 暗渠入り口
昇と圭吾が立っている。
圭吾   「本当は入ってみたいんだけど、暗渠魔とか何がいるかわからないから 
      怖くて。それに僕暗くて狭いところ苦手だから」
昇    「ロッカーとか?」
圭吾   「まぁ」と照れ臭そう
昇    「僕が一緒に行ってやるよ」
圭吾   「えっ 本当?」

そこへ怒鳴り声
声    「あーまた危ないとこ行こうとしてる!先生に行っちゃうから」
ドキッとする圭吾
声の主を見ると、妹の奈真だった。

奈真   「私も連れてってくれるんなら、先生にもお母さんにも言わない」
圭吾   「暗渠の中には暗渠魔がいてこわいかもしれないぞぉ」
と奈真に襲いかかるふりをする。
奈真   「お兄ちゃんの方が臆病なくせに。奈真がついててやるから安心していこ
      う」
昇が奈真のところに近寄る
昇    「よろしく」
奈真   「私、奈真よろしく……」
と奈真があいさつしようとすると、昇のランドセルがごそごそ動いているのを目撃
昇    「そうだ二人にお守りを上げるよ。」
と野球のボールぐらいの大きさの水晶を二人のランドセルに放り込む。

暗渠の中
3人が、探検をしている。
いろいろ回っているうちに、足元に転がっている人の骸骨にビビる圭吾
圭吾、昇に泣きつき
圭吾   「もう帰ろうよ?」
昇「帰れなくなった。」
圭吾   「道に迷った?」
昇    「暗渠魔の仕業かもしれない。」
圭吾   「えっ」
昇「暗渠魔は妖術を使って、幻覚を起こして人々を迷わせたりするんだ。」
圭吾   「あっ、奈真がいない?どこではぐれたんだ」
昇    「しまった。暗渠魔が狙ったのは、僕たちじゃなくて、奈真ちゃんかもし
      れない」
圭吾   「マジで」

暗渠の中別の場所
奈真がはぐれて、不安になり、圭吾たちを探している
奈真   「おにいちゃんどこに行ったの?」
迷い歩いている奈真
その背後に不気味なうなり声とともに、何かが迫ってくる。

暗渠の中
圭吾と、昇が奈真を心配していると、向こうから、叫び声が
圭吾   「あれは奈真の声だ。」
声のほうに走って向かう二人。でもその先は行き止まり。
圭吾   「どこにいるんだ。奈真」
昇が岩に手をかざすと、光が出て、岩壁と思われていた場所が開けたように見える
圭吾   「岩壁だと思ってたけど、これも暗渠魔が作った幻覚?」

開かれた場所には、今にも奈真に食いつこうとしている暗渠魔の巨大な姿があった。

昇が暗渠魔をにらみながら
昇   「でやがったなぁ。」
圭吾  「まじでぇ。」
昇   「いでよ闘竜神(バスタードラゴン)」
すると、昇のランドセルからドラゴンが出てくる

ドラゴンは暗渠魔に絡みつき締め付けようとすると。暗渠魔は稲光を放ち、ドラゴン
はそれに感電したような形になり、挙句の果てに岩に打ち付けられる。

昇それを見て焦りを感じて
昇   「やはりドラゴン1体だとかなわないか」
昇、圭吾のほうを向き、圭吾、僕と同じように、叫んでドラゴンを出すんだ」
圭吾「俺にそんなことできないよ」
そこへ奈真が割ってきて、
奈真  「私がドラゴンを出す。さっきもらったお守りがドラゴンになるんで
     しょ?」
圭吾  「さっきもらったお守り?」
奈真  「出でよ、闘竜神(バスタードラゴン)」

奈真のランドセルからもドラゴンが出てくる。
ランドセルのドラゴンの反動に揺さぶられながら奈真が
奈真  「お兄ちゃんも早く」
圭吾  「い、いでよ、闘竜神(バスタードラゴン)」
暗渠魔の前に、現れる三体のドラゴン
真ん中に立った昇が
昇   「竜の三つの玉集え。魔を退散させり。」
と叫ぶと、3体の竜が持っている水晶玉が光を放ち、光が集まって一本になって、
暗渠魔の口にまっすぐ刺さっていき、暗渠魔を二つに裂く。

裂かれて暗渠魔の中から、白い竜が立ち上っていく。
それを見て、圭吾が警戒する。
圭吾   「またなんか出てきた。」
昇    「あれは、竜神の魂」
圭吾   「竜神の魂?」
昇「    かつて川には竜神と呼ばれる守り神がどの川にも存在した。その川を人
      間が汚して、挙句の果てに埋めてしまった。暗渠魔は、竜神が人間に復
      讐するために怒りくるってしまった姿。」
圭吾   「暗渠魔を生んだのは僕たち人間だってこと?」
昇    「だから僕たちの手で成仏させてあげるんだ。」
昇が、圭吾に握手を求めてくる
昇    「俺、小学背は仮の姿で、本当は、暗渠魔を監視、そして退治する暗渠魔
      バスターなんだ」
握手を互いにする昇と圭吾

昇    「君もバスタードラゴンを出したんだから、もう暗渠魔バスターだ。」
圭吾   「えぇ」
奈真   「私も暗渠魔バスターだ。かっこいい」
とポーズをとって自分に酔いしれる。
圭吾決意したように、
圭吾   「よし、暗渠魔から人々をまもってやるよ」
昇    「まだあと、500体もいるんだ。がんばろうな}
圭吾   「えぇっ、あと500回もこんな怖い思いするの?」
恐怖におののいてしまう圭吾

つづく

#ジャンププラス原作大賞 #暗渠

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