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ChatGPTの業務活用ストーリー:もったいない使い方?

このブログでは、私が日常でを生成AI(主にChatGPT)を使った事例を紹介していきます。

最先端の情報よりも、基本的な使い方が主になります。「今さらChatGPTを触るのは遅いかも…」と思っている人にぜひ読んでいただきたいです。一緒に日常で活用していきましょう。

今回も、業務で使う場面をイメージしてもらうために、ストーリーを作成してみました!会社で生成AIを活用する中で出会ってきた「もったいない使い方」をまとめました。

なお、今回は、ストーリー作成にGeminiとClaud3(それぞれ無料版)も利用しました。無料で使える質の高い生成AIも増えてきましたね。私もいろいろ使っていきます!


登場人物

  • 一華: 明るく頼れる総務部のベテラン。AIに詳しく、周囲の相談によく乗る。

一華
  • 桜: 一華の後輩。真面目で几帳面だが、AIには疎い。生成AIを使って資料作成に挑戦中。

0.導入:プロンプトがわからない!

場面: 平日の午後、活気あふれるオフィス。総務部のデスクで、一華は書類に目を通している。

 桜: (困った様子で一華のデスクに近づく) 一華さん、ちょっと相談いいですか?

一華: あら、桜ちゃん。どうしたの?

 桜: 実は、生成AIを使って資料作成に挑戦しているんですが、うまくいかなくて…

一華: 生成AIね。最近話題になってるわよね。何か困ったこと?

 桜: はい。このプロンプトで、完璧なプレゼン資料を生成したいんです。

一華: 完璧な資料、すごい目標ね! でも、ちょっと待って。

一華: (桜のPC画面を覗き込む) うーん、これはいろいろと問題ありかも…

どんな問題があったのでしょうか?

1.もったいない使い方:1回で完璧を目指す→会話を重ねて6~7割の精度を目指す

一華: まず、考え方の話になるけど、1回のプロンプトで完璧な回答を求めることは止めた方がいいよ

 桜: そうなんですか?? 生成AIを使いこなす人は、完璧なプロンプトで一発で求める回答を出しているのかと思っていました。だから、プロンプトをしっかり考えなきゃいけないのかと。

一華: 生成AIの回答は運の要素も強いから、求める回答が一回で出ることはほとんどないと思った方がいいかも。会話しながら調整する方が、自分に合った回答にたどり着きやすいよ。それにプロンプトに時間をかけた割に、回答が思ったものじゃないとがっかりするでしょう?

 桜: はい…。こんなに考えたのに、と嫌になっちゃいますね。

一華: そうなるよりは、6~7割の内容のものを短時間で出してもらおう、という心持ちの方が、がっかりしなくて済むんじゃないかな。6~7割のものでも、自分が0からやるよりも早く作業が進めば十分役に立つんじゃない?

 桜: なるほど。生成AIもまだまだ完璧じゃないんですね。

一華: そうね。ただ、生成AIも日々進化しているからね。完璧な生成AIが生まれるまでは、こちらが期待値調整をして使っていきましょう。

 桜: はい…。やっぱり期待はしちゃいそうですが。

一華: 私はゴルフをイメージしているよ。ゴルフでホールインワンを目指すのはとても難易度が高いでしょう?代わりに、まずは打ってみて、ホールまでの距離と方向を確認してまたボールを打ってみて、大体近づけばOK!と考えているかな。

求める回答にたどり着くまでのイメージ

 桜: ゴルフでイメージするのは面白いですね!

2.もったいない使い方:指示が曖昧→新人に指示するくらい具体的にする

一華: では、プロンプトも一緒に考えてみましょう。

 桜: はい!(ドキドキ…)

桜の書いたプロンプト

一華: まず、このプロンプト、指示が曖昧すぎない?

 桜: え、そうですか? でも、私が伝えたいことは書いてあると思うんですけど…。役割設定が大事と聞いたので、役割も入れてみました。

一華: 役割を入れるのは効果的ね。でも、AIにとって具体的な指示が足りないと、的外れな結果になる可能性があるわ

 桜: 的外れな結果…? どういうことですか?

一華: 例えば、このプロンプトだと、「最新のマーケティング戦略について、分かりやすくまとめたプレゼン資料を作成してください」って書いてあるけど、具体的なターゲットや伝えたいメッセージは? 資料の構成やデザインはどういうイメージ?

 桜: えっ、そんなことまで考えなきゃいけなかったんですか?

一華: そうよ。AIは万能じゃないのよ。人間が明確な指示を与えないと、思い通りの結果を出せないの。生成AIは指示の背景や文脈をくみ取ってはくれないの。優秀ではあるけど、会社に入ったばかりの新人みたいなものね。

 桜: じゃあ、どうすればいいんですか?

一華: まずは、ターゲットやプレゼンの目的を明確にして、資料の構成やデザインをイメージする。そして、それを具体的な指示としてプロンプトに書き込むの。

修正したプロンプト

 桜: こんなに細かく書かなきゃいけないんですか?自分では書く自信がないですね…。

3.もったいない使い方:プロンプトに困って手が止まる→プロンプト自体を生成AIに作ってもらう

一華: 大丈夫よ。実はね、このプロンプトも、ChatGPTに依頼して作ってもらったの。

一華:
以下のプロンプトをより成果が出る内容へ改善してください

#役割
あなたは優秀なビジネスコンサルタントです

#指示
最新のマーケティング戦略について、分かりやすくまとめたプレゼン資料を作成してください

ChatGPT:
以下のように改善しました。より具体的な要素を加え、プレゼン資料の目的や対象を明確にしています。

役割
あなたは経験豊富なビジネスコンサルタントです。

指示
以下の要件に基づいて、最新のマーケティング戦略に関するプレゼン資料を作成してください:

対象者
経営陣およびマーケティングチーム

目的
企業のマーケティング活動の効果を最大化するための新しい戦略を提案

内容
・最新のマーケティングトレンドとその背景
・効果的なデジタルマーケティング手法(例:SEO、SNSマーケティング、コンテンツマーケティング)
・データドリブンなアプローチ(データ解析とその活用方法)
・具体的な成功事例とその分析
・貴社の現状と比較した場合の利点と課題

形式
・20分程度で発表できる長さ
・スライドは10〜15枚程度
・ビジュアルを重視し、図表やグラフを活用

この指示に従い、分かりやすく効果的なプレゼン資料を作成してください。

ChatGPTにプロンプト修正を依頼

 桜: え?プロンプトもChatGPTに聞けるんですか?

一華: そうよ。プロンプトに困ったら、プロンプト自体を生成AIに聞いてみると、どんな風に聞けばいいかサンプルを出してくれるの。自分のしたい指示じゃないな、と思ったら、それを修正すればいいのよ。

プロンプト自体も生成AIに出してもらおう

桜: ありがとうございます! 新しいプロンプトを入れたら、一瞬で資料の骨格ができました!ここから少し調整すれば、業務で使えそうです。

一華: でしょ? プロンプトに悩んでしまって手が止まるのはもったいないわ。AIは使い方次第で、強力な助っ人になるのよ。

桜: 本当ですね! 一華さん、ありがとうございます!

4.もったいない使い方:同じチャット内でいろいろな話題を続ける→話題が変わったら新しいチャットに変える

一華: そうそう、ちょっと付け足しておくけど、生成AIを活用する上で注意することが他にもあるわ。例えば、関係ない話題を次々に同じチャットで投げかけるのも避けた方がいいかな

桜: どうしてですか?

一華: 生成AIは、同じチャット内でやり取りされた文章も読み込んで回答してくれるからね。本当は話題が変わっているのに、生成AIは同じ話題だと考えて回答することがあるの。関係ない話題はノイズになるから、1つのチャット内では同じ話題に絞った方がいいね。

話題が次々に変わるとAIも混乱する

桜: そうなんですね。話題が変わったら新しいチャットを開始するべきですね。

5.もったいない使い方:生成AIの学習データに含まれていない情報を聞く→生成AIの特性に合った情報を聞く

一華: それから、学習データに含まれていなさそうな情報を尋ねても無駄よ。AIにはある程度の知識の範囲があるから。例えば、昨日の最新ニュースとか、会社の情報とかね。

桜: あ、隣の部署の人が「総務部の問い合わせ先を検索しても出てこないんだけど。生成AI使えないねー」って言ってました。

一華: あらら…。もちろん、社内情報を検索するためにカスタマイズされていることもあるし、WEB検索機能もある生成AIだったら最新のニュースも聞けるんだけどね。基本的にはWEB上にある情報を学習している生成AIが多いから、WEB上に公開されていない情報や最新すぎる情報は基本的には答えられない、ということを覚えておくといいかもね

桜: AIの限界を理解しつつ、賢く使いこなしていくということですね。本当に勉強になります。一華さん、貴重なアドバイスをありがとうございました!

一華: いいのよ。桜ちゃんがAIを上手に活用できるようになってくれれば、それが何よりの喜びよ。

6.まとめ

桜: 教えてもらった情報をまとめますね。

<もったいない使い方まとめ>

①1回で完璧を目指す
→会話を重ねて6~7割の精度を目指す

②指示が曖昧
→新人に指示するくらい具体的にする

③プロンプトに困って手が止まる
→プロンプト自体を生成AIに作ってもらう

④同じチャット内でいろいろな話題を続ける
→話題が変わったら新しいチャットに変える

⑤生成AIの学習データに含まれていない情報を聞く
→生成AIの特性に合った情報を聞く

もったいない使い方まとめ

桜: 一華さんのおかげで、生成AIの使い方を少し理解できました。

一華: 良かったわね。何度も生成AIと会話することで身についていくから、どんどん使って覚えていってね。あ、でも、AIに頼りすぎないように気をつけて。最終的な判断は、常に人間が下すのよ。

桜: はい! 分かりました。AIを使いこなせるよう、もっと勉強します!

一華: 応援してるよ!


今回は業務で活用する上で「生成AIのもったいない使い方」をまとめてみました。これらは、私が社内で実際に遭遇した使い方です。案外もったいない使い方をしている方は多いな、と感じています。

ただ、一番もったいないのは、「生成AIを触らないこと」だと思っています。無料で触れる質の高い生成AIも増えてきました。どんどん使って、自分なりの使い方を見つけていってくださいね。

参考になれば嬉しいです!

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