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用心棒の三船敏郎がめちゃくちゃカッコよかった話

正月にBSで「用心棒」が放映されてて、なんとなく見たら、めちゃくちゃ面白くて驚いた。
さすが世界のクロサワだ。すげー面白い。今、みても面白い。ぜんぜん古びてない。
時代劇なのにマカロニウェスタンみたいと思ったら、用心棒が先なのか。用心棒の影響をうけてマカロニウェスタンが生まれたのか。
とにかく「面白い」「かっこいい」映画だった。こんなかっこいい映画ある?ってくらいかっこよかった。

世界のクロサワといいつつ、黒澤明、作品はほとんど見たことがない。
自分は40代だけど、物心ついた時には作品に触れる前に「世界のクロサワ」情報がインプットされてしまって「なんだかすごい昔の監督」という認識しかなかったんです。

踊る大捜査線の「天国と地獄」ネタ。ルパン三世ヘミングウェイペーパーの「用心棒」ネタ。ゴールデンカムイでもあったね。黒澤作品のオマージュ作品には触れてはいたけど、黒澤明が元ネタとは知らなかった。

昭和の作品とひとことで言っても、1960年、70年、80年、90年と10年たてば、俳優さんの顔も変わり「作画」が違くなるわけで。
私が学生の頃は、豊川悦司、竹ノ内豊、反町隆史のドラマ隆盛時代。三船敏郎の作品は見た事もなく、すでに縁遠くなっていたのです。

三船敏郎って、こんなにかっこよかったんですね…
着物の中に両腕を入れて歩く姿、剣の腕だけに頼らず、やくざたちを共倒れさせる策士っぷり。ピンチになっても慌てない。拷問されようが冷静。感情に左右されず、淡々としてて、いや、もうかっこいいんだよなぁ。
「怒り」をあらわにする場面が、悪党ども相手ではなく、女房を取られた男、まだやくざの世界に染まってない若者に対してなのがいい。
「お前ら、俺たちみたいになるなよ」って言ってるみたい。悪党の世界から引き返せる人間に対して、声をあらげるとこ、かっこよかったなぁ。

悪党に対しては容赦ないもんね。ゴミ掃除するような感覚で。でも正義のヒーローではなく自分も同じ穴のムジナと自覚してる雰囲気がある。全身から色気がじにみ出てて、まぁ、とにかくかっこよかった。しびれたなぁ。

三船敏郎がこんだけカッコいいのは、ご本人の演技もだけど、黒澤明とスタッフの力なんだろうね。

黒澤明は破天荒な完璧主義のイメージで(撮影のために、アパートの壁を壊せとか)どうも、彼の作品に触れるのが怖かったんだけど、「用心棒」は登場人物もみな、どこか愛嬌があって、敷居が高かった「世界のクロサワ」が、ぐっと身近になった用心棒でした。椿三十郎や蜘蛛の巣城も見てみたいなぁ。

最後に…正月、ちょうど用心棒を見終わったあたり、感想絵を描いてる時に、能登地震が起こりました。私は北東北なので小さな揺れを感じた程度でしたが、毎日ニュースの映像をみていると言葉が出てきません。被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。まずは、私が出来ることは募金から。

いやぁ~、かっこよかった。もうかっこよかった

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