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【beBiterが選ぶ!】元哲学研究者が、はじめて哲学に触れる方におすすめしたいコンテンツ / Market Development 横山さん

ビービットのメンバーに毎回テーマに沿ったコンテンツを3つ紹介してもらう企画「beBiterが選ぶ!」。おすすめコンテンツであれば、書籍、音楽、映画、テレビ、ラジオなどジャンルは問いません!

今回のテーマは「元哲学研究者が、はじめて哲学に触れる方におすすめしたいコンテンツ」です。大学院で哲学を研究し、現在はMarket Developmentでマーケティング企画を担当する横山さんに聞きました!

Read the English Version from the link below!

横山さん
部署・役職名:Market Development マーケティング企画担当
入社年:2022年

■自己紹介
お疲れ様です、マーケティング企画担当の横山です。
サービス紹介動画やセミナーの構成・台本制作、Web記事やホワイトペーパーの企画・執筆をしています。
数年ほど前に哲学修士となり、社会人になった今でも趣味として勉強を続けています。
社内Slackで哲学についてベラベラ話していたら目を付けられてしまいました。なるべく多くの方が哲学に関心を持つきっかけとなれば幸いです。

コンテンツ1:

オンライン事典『The Stanford Encyclopedia of Philosophy』

理由:
これから初めて哲学に触れる方にとって何より重要なのが、「信頼できるコンテンツ」の存在だと思います。
書店を訪ねれば実に多くの哲学入門書が目に留まります。しかし、売れ行きの良い書籍であっても、その分野を専門とする方々のあいだでは評価が芳しくない、ということもあります。
とはいえ、いきなり原書や研究書に挑戦するのはかなりヘビーですよね。

そこでご紹介したいのが、Stanford Encyclopedia of Philosophy(通称SEP)です。

SEPは、誰でも無料で閲覧可能なオンライン哲学百科事典です。項目数は2018年3月時点ですでに約1,600にも及ぶそうです。しかもそれから現在に至るまで、ほぼ毎日更新されています。

記事の量はもちろん、注目すべきは質の高さです。執筆者は各分野の専門家であり、さらには編集委員による査読もついています。業界最先端の知識に触れることができるのは、とてもありがたいですね。

コンテンツ2:

書籍 『An Introduction to Metaphilosophy』

理由:
この社内報を読んでいる方の中には、「哲学なんて何の役に立つんですか?」「なんで哲学しなくちゃいけないんですか?」という考えの方もいるかもしれません。全く同感です。

そんな方には「メタ哲学」がオススメです。この分野で扱われる問いは主に三つ。〈哲学とは何か〉〈どのように哲学すべきか〉〈なぜ哲学すべきか〉です。
これらの問いはどれも、哲学を終わらせてしまいかねない、非常にラディカルな問いです。最終的に、哲学はこれと言って何でもないもので、やっても無意味だという結論に至るかもしれません。
しかし仮にそうした結論に行き着いても、そこに合理的な根拠を伴うのであれば、お茶を濁すような回答よりは遥かに良いと考えます。

残念ながら、国内ではメタ哲学の入門書は出版されていません。世界初のメタ哲学入門書は、ケンブリッジ大学出版局から刊行されているAn Introduction to Metaphilosophyという書籍です。私もこの本を使って現在進行形で勉強しています。

そういったわけで、もしも「哲学なんてやったって無意味だ、もう哲学なんて死んだも同然だ」とお考えの方がいたらお話を伺いたいです。ぜひ一緒に哲学を終わらせましょう。

コンテンツ3:

書籍『本を読む本』

理由:
もしかすると、この社内報を読む前から哲学に興味があり、「今すぐにでも哲学書が読みたい!」という情熱をもった方もいるかもしれません(私はあまりお目にかかったことがありません。そういった人々が収容されているコロニーでもあるのでしょうか)。
しかし、哲学書を読むにはある種のテクニックが必要です。

初めてビジネス書を読んだとき、「なんて親切な本なんだろう!」と感動したことを覚えています。言葉の意味はどれも非常に明確で、身近な事例も豊富に揃えられており、伝えたいメッセージは明確でした。
それに対して哲学書は、「アプリオリな総合判断」だの「世界内存在」だの、普通に生きていればまず出会うことのない言葉で溢れかえっており、身近な事例は少なく(そもそも古代ギリシア人にとって身近な例なんて挙げられても困るのですが)、読み終わっても何を言いたかったのか分からないものも珍しくありません。

哲学書を始め読みごたえのある書籍を読むための技術を授けてくれるのが、最後にご紹介する『本を読む本』です。
著者の一人であるアドラー氏は、かつてコロンビア大学やシカゴ大学で教鞭をとっていた哲学者です。本書を通じて、哲学書を読むにあたっての実践的な読書術を獲得できるでしょう。

いずれビービットの方々とも哲学書の読書会をやってみたいですね。こんな社内報を公開していただけるぐらいなので、実現の機会を伺っていようと思います。

番外編

■最後に今回のテーマに関係なく、特におすすめしたいコンテンツを紹介していただきました!

コンテンツ:
YouTubeチャンネル『大喜る人たち〈大喜利動画〉』

理由:
大喜利専門のYouTubeチャンネルです。IPPONグランプリのように地上波で放映されている正統派の大喜利とは違い、ときにお題を無視した回答で無理やり笑いをもぎ取っていくので、何が正しくて何が間違いなのか、何が面白くて何が面白くないのか分からなくなってしまいます。
私の大好きな回答は、「1000円カットより格段と安い『10円カット』その安さの秘訣とは?」に対する、サツマカワRPGさんの「ありがとね」です。


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