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塩むすび

今日の朝、試合に出る長男のためにいつもより少し早起きをして米を研ぎ、土鍋で炊いたごはんをお櫃に移す。熱々のごはんを塩で結び、海苔を巻いて長男に持たせる。

いってらっしゃい、気を付けてね。
いっぱい、楽しんできて。

玄関で長男を見送り、キッチンでお鍋やボウルを洗いながらさっき自分が作った炊き立てごはんの艶々おむすびを思い出したら、猛烈に食べたくなって朝の散歩を取り止め自分のために塩むすびを作った。

リビングのソファで朝陽を見ながら、出来たてほやほやの塩むすびを頬張ったら、あー、わたしは我が子たちにごはんを作らせてもらってるんだな、と思った。

日々のごはん作り、料理が決して嫌いでなくとも邪魔くさい日も多々。
出てくるのが当たり前だと思うなよ、と意地悪な気分になる日もあれば
今日は誰か作ってよ、と不機嫌に無茶振りしたくなる日もある。

それぞれの好みとか、体に必要な栄養素だとか日々少なからず頭を悩ませて食事を作るわけで、そこにあるはずの楽しさはとうの昔に置き忘れて、面倒臭さのほうが勝ってた。あまりに毎日のことで。

でも今朝、おむすびを頬張りながら、この子たちにごはんを作るという毎日を経験させてもらってるんだなと、思った。(大事なことなので二度言う)

お米を研ぐ、火加減を見ながらお米を炊く、炊き具合を見ながらお櫃に移す。お米、というひとつのものに意識を集中して動作を重ねることで自然と静謐な気持ちになれるからこその、気づきなのかもしれません。早朝という空気感も相まって。
こういう気づきがあると、マインドフルネスな行動は、日々の家事の中でも自然と成り立つんだなと痛感します。


食事作り、という日々のルーティン。
彼らと出会っていなければわたしの毎日には登場し得なかったかもしれないこと。

だからどうっていう話ではないけれど、自分の中で大事なことが降ってきた気がするので書き留めておきます。


今日の塩むすびが、長男の体と気持ちを満たしてくれますように。

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