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あなたは本当の意味で「セルフスターター」ですか?

こんにちは、bebeです。

今日は、「「アクが強いだけ人」と「セルフスターターな人」を見分けられるかどうかってチームの生死を分けるよね」という話。


VUCAの時代と言われて久しいですが、こんな先行きが見通せない時代に求められるのは「言われたことを正確に早く実行する工業系人材」ではなく、取り組む課題自体を自ら定めて行動できる「セルフスターターな企画系人材」だと思います。


求人情報などを見ると、「当事者意識の高い人材」「経営視点を持っている人材」「自律的・自発的に動ける人材」など様々な表現で語られており、企業としても重要視しているこの要素を今回は「セルフスターター」という言葉で表現しています。


私が勤務している会社でも、やはりこの「セルフスターターな人材」が重宝されており、ボトムアップで社員が自ら様々な取り組みをすることで会社が支えられているという印象があります。


ただ、時々出くわすのが、セルフスターターではなく、ただただ「アクが強いだけの人」


多くの場合、その「アクが強いだけの人」は周囲から「当事者意識が高くて自ら行動してすごい」や「意志が強くて馬力があって頼りになる」と評価されるのですが、どうしても自分がイメージしている「セルフスターターな人」とは重ならず、違和感を感じていました。

そして、シャワーを浴びているときに、その理由をひらめいたのでまとめてみたいと思います。

一言でまとめると、こんな感じ

外的要因で取り組むことになった仕事に対するスタンスが大きく違う
・「アクが強いだけの人」は「理由の説明を求める」
・「セルフスターターな人」は「理由を探し、解釈する」


はたから見ると「アクが強いだけの人」もセルフスターターな人」もバイタリティがあって、仕事に対して積極的。自ら意見を表明するし、様々な提案をする。どう行動するのか?=Howの部分にはさして違いはありません。

重要なのは何に取り組むのか?=Whatの部分、もっと言うと、Whatを選び取るための理由=Whyの部分に大きな違いがあります。

「アクが強いだけの人」はあくまでも「自分の好み・価値観」という主観的な尺度からのみ「What=やること」を選択します。つまり自分が「やりたいこと」を選びます。

こういった、意思の強さはパフォーマンスに大きく影響するため、非常に大事な要素ではあるものの、チームで動く場合には「やりたいこと」だけではなく「やるべきこと」もやらないといけない。当たり前なのですが、「アクが強いだけの人」にはこの視点が決定的に欠けています。

モチベーション高く仕事に取り組むためには、自分の意思を殺してはいけませんが、「やりたいことだけをただやる」というのは、ただのわがままでしかない。

やりたいことをやるのは生物としての本能であって、そんなことができるのは当たり前 (長いサラリーマン生活でこれができなくなっている機能不全ビジネスパーソンも多くいますが、その話は割愛) 

もっと重要なのは、「当初は自分がやりたいことではなかった”やるべきこと”」を自分なりに消化して、「やるべきだし、やりたいこと」に昇華させること


つまり、「当初は本人がやりたいと思っていなかった”やるべきこと”をやらないといけない場面に遭遇した時にどういう態度をとるか?」を見れば一発で「アクが強いだけの人」と本当の意味で「セルフスターターな人」を見分けられるということ。


例えば、上司から突然「申し訳ないけど、このプロジェクトに参加してほしい」と依頼があり、背景や目的の説明が終わったあと、まだ納得感が無かった時に、「納得できないからもう少し理由を説明してほしい」となるか、「○○と○○の部分は納得できていないんですけど、××ということですか?」となるか。

前者が「アクが強いだけの人」、後者が「セルフスターターな人」


もちろん、組織やチームとして「やるべきこと」が定められていないという、そもそもがダメダメなプロジェクトへのアサインだった場合は、論外ですが、それなりの根拠を持って「やるべきこと」が定まっている場合に、態度が明確に分かれるというのが私の印象です。


「アクが強いだけの人」をチームに入れると、自分がやりたいことだけをやり、チームで進みたい方向には物事が進まないといったことが往々にして起こりえます。しかも、「アクが強いだけの人」は周囲から「優秀な人」と誤評価されている可能性も高いため、チーム全体への評価が「(アクが強いだけの)○○さんは頑張っているのに、チームが足を引っ張っている」とさえ思われかねません。


アクが強いだけの人は、①単独で行動させる、②本人がやりたいことと完全に一致しているプロジェクトにアサインする、のどちらかじゃないとリスクが高すぎる。


「出来ること(Can)・やりたいこと(Will)・やるべきこと(Must)を一致させることが大事」とよく言いますが、このうち、Willが強いのは「アクが強いだけの人」も「セルフスターターな人」も同じ。

WillとMustがズレた時に、「WillをMustに寄せていける人がセルフスターター」、「MustをWillに寄せていきがちな人がアクが強いだけの人」と言えるかもしれません。


しかも、アクが強いだけの人はバイタリティがあるので勉強熱心だったり経験豊富だったりする傾向も強い。なまじ知識・経験がある分、周囲をマウントして自分がやりたいことをガンガン推し進めたりできちゃうことも多い。CanとWillがめちゃくちゃ強くて、Mustが劇的に弱いという状態。こうなってくるとチームやプロジェクトそのものが崩壊するリスクがさらに高まってきます。


皆さんの周りに、「優秀だと評価されているけど、セルフスターターじゃなくてアクが強いだけの人」は隠れていませんか?


スキルだけじゃなくて、マインドやスタンスもめちゃくちゃ大事だし、むしろマインドやスタンスが整っていないと、いかにスキルがあってもむしろチームを悪くさせるリスクすらあると感じています。


「結局、人柄が勝敗を分けるのかもな」と思った、そんな話。

以上

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