空の巣症候群

先日初孫が、4歳なら誕生日を迎えた。

この孫のおめでたの話しを48歳の時に聞いてから5年間、娘の結婚、出産、息子の第一子の出産、第二子の出産、息子息子の結婚と何が起こっているか分からず時が流れた。

その前は、子供3人の子育て、学費の工面などに追われる日々だった為に、ホッとする時が、なかったように思う。

今の生活は、義母が隣に住んでいる為、なかなか日々の暮らしに落ち着きとまでは行かないが、日常の部屋の中の閑散とした感覚は、今までとは、違うなあと感じる。

ふと、これが世の中で言う空の巣症候群かなと思った。

ある時、結婚する前、自分の母が習字の先生だった事もあり墨のついた筆をくるくる回して、テレビを見ていた事を思い出した。

私は、小さい頃から強制的に筆を持たされていた為、嫌で仕方がなく途中で、断念してしまった。

それなのに、ふと気がつくとテレビを見ながら「ぼーっ」と墨を擦っていた。

ふわっと、カビくさいにおいの墨の香りが、妙に癒される気持ちになり、自分一人の時間のアロマのような気持ちで、筆をくるくるして走らせてみた。

字が上手いかと言われたら下手な方になるが、こんな気持ちにさせてくれた母には、感謝したいと初めて思った。

空の巣症候群、そんな時期だからこそ感じられる幸せもあるのかなぁ?



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